気象病に関する気象用語

厳しい寒さ 何℃で何が凍る?

冷え込みが厳しい冬の朝は、北日本や内陸では、マイナス二桁の気温になることもあります。水は0℃で氷になりますが、他のものは何℃くらいで凍るでしょうか?

何℃で凍る?


大まかな目安は、以下の通りです。

・0℃…水
・約-6℃…サイダー
・約-10℃…ビール
・約-13℃…ワイン
・約-15℃…日本酒、シャボン玉が凍る
・約-20℃…まつげが凍る、バナナで釘が打てる
・約-25℃…しょうゆ、”凍烈”が発生(木の中の水分が凍って、幹に亀裂が入る)

このように、お酒はアルコール度数が高いほど凍りにくく、調味料は塩分濃度が高いほど凍りにくくなります。ウォッカはアルコール度数がかなり高いので、自然環境では凍ることはほぼないそうです。

ちなみに-20℃くらいになると、まつげが凍り付いたり、カチコチに凍ったバナナで釘が打てるようになります。さらに-25℃くらいまで冷えると、木の中の水分が凍って、木の幹に亀裂が入る「凍烈」という現象が起きることもあります。

実際に-7℃まで冷えた朝に、水・サイダー・オレンジジュース・しょうゆで実験したところ、数時間でしょうゆ以外はカチコチになって、コップをひっくり返しても、写真のようになりました。塩分濃度の高いしょうゆは-25℃くらいまで下がらないと凍らないのです。

-15℃くらいで出合えるダイヤモンドダスト


-15℃くらいまでのかなり厳しい寒さでよく晴れた風の弱い朝には、ダイヤモンドダストが見られることがあります。日本語では細氷と表現されるダイヤモンドダストは、川の近くなど水蒸気量がある程度多い場所で発生しやすくなります。-15℃くらいまで下がると、シャボン玉もあっという間に凍ってしまいます。

厳しい寒さがもたらす絶景


寒い時期だからこそ、見られる冬の絶景があります。空気中に漂う氷の結晶に光が反射することで見られるサンピラーや、冷えて凍り付いた川面や湖面に発生する霜の結晶が花のように見えるフロストフラワー、北海道の十勝川河口などの海岸に流れ着く氷の塊が太陽の光で美しく輝くジュエリーアイスなどが注目を集めています。

寒い日に写真を撮る際の注意ポイントがあります。それは、「凍傷」です。夢中になって写真を撮ったり、細かい作業をするために手袋を外した状態で冷たい水などに触ると、知らず知らずに凍傷になる恐れがあります。手袋をしっかり着用し、万全の防寒で楽しんでみてください。


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この記事の監修者
森山 知洋
森山 知洋
気象予報士/健康気象アドバイザー/防災士/北海道防災教育アドバイザー

20年以上の気象予報士歴の中で放送局の気象キャスターなど様々な業務を経験。健康気象講座や防災講演の講師を務めるなど健康気象や防災のスペシャリストとしても幅広く活動中。
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