気象病の基礎知識

3月の天候や気圧変化の特徴と気象病~気温変化が大きく春バテに注意 ~

目次


3月の天候の特徴
3月前半と後半からみる天候の特徴
啓蟄(3月6日頃~3月20日頃)
春分(3月21日頃~4月4日頃)
3月の気圧変化の傾向

▼3月に現れやすい気象病はこちら▼

3月の気象病~気温変化が大きく春バテに注意~

3月の天候の特徴

3月の天候には下記の特徴があります。

冬型の気圧配置から春の気圧配置に

3月前半はシベリア方面から寒気が日本付近に流れ込み、冬型の気圧配置になる日もありますが、3月後半は冬型の気圧配置が続かなくなり、低気圧と高気圧が交互に通過し、天気が周期的に変わるようになります。このため、日本海側で雪の降る日が次第に少なくなり、雪から雨に変わります。
下旬は南海上に前線が停滞して曇りや雨のぐずついた天気が続く菜種梅雨が現れる年もあります。

日々の気温変化が大きい時期

冬型の気圧配置が続かなくなり、低気圧と高気圧が交互に通過するようになると短い周期で天気が変わり、暖かい日や寒い日が交互に現れて日々の気温変化が大きくなります。
日本海で低気圧が発達すると南から暖かい空気が流れ込み気温が上昇して春一番が現れることもあります。また、低気圧の通過後に寒気が流れ込んで気温が低下し、気温の変化が大きくなります。

日中と夜の気温差が大きい時期

3月後半は高気圧に覆われておだやかに晴れると日差しが暖かく感じられますが、朝は夜間の放射冷却により気温が下がって冷え込むことがあり、昼夜の気温差が大きくなります。このような気温差の大きい日は移動性高気圧に広く覆われて青空の多い晴れた日に多く見られます。また、日中に南寄りの風が吹く日は気温が上昇するため、気温差が大きくなります。

3月前半と後半からみる天候の特徴

啓蟄(3月6日頃~3月20日頃)

啓蟄(けいちつ)は冬眠していた虫が穴から出てくる頃という意味です。実際に春の気配を感じて冬ごもりをしていた虫たちが動き始めるのは1日の平均気温が10℃以上になってからで、多くの地方ではもう少し先になります。
強い寒気の流れ込む回数が少なくなり、冬型の気圧配置は一時的となり次第に現れる日が少なくなります。
低気圧が南から暖かな空気をもたらし、低気圧の北西側の寒気との温度差が大きくなって低気圧が急速に発達し、爆弾低気圧となることがあります。このような時は気圧差が大きく気象病が起こりやすく、長時間続く場合もありますので十分な注意が必要です。

春分(3月21日頃~4月4日頃)

春分の日は昼と夜の長さがほぼ同じとなり、この日を境に昼間の時間が長くなります。春分の日の前後7日間が春の彼岸で、「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます。少しずつ暖かさが増し、関東以西では桜が開花し始めますが、暖かい日が続かず、寒の戻りもあり、花冷えとなる日もあります。
年によっては中旬以降に南海上に前線が停滞して関東以西で曇りや雨のぐずついた天気が続くことがあり、この雨は菜種梅雨と言われます。雨や曇りが続き体調のすぐれない状態が続く恐れもありますので注意してください。
また、移動性高気圧に覆われて晴れると日中の気温が上昇して暖かくなりますが、朝は冷え込んで昼夜の気温差が大きくなる日があり、体調を崩すことがありますので注意が必要です。

3月の気圧変化の傾向

下記の図は東京の2019年~2022年の3月の気圧の状況です。赤マークが気圧の変動が大きく特に注意が必要で、次いで黄色、黄緑です。また、紫色は気圧の上昇で注意が必要です。水色は体調への影響が小さかった日を示しています。
気圧の傾向は年による違いが見られました。

2019年3月の気圧傾向

低気圧が短い周期で次々と日本付近を通過し、低気圧の通過後に気圧が上昇したたため、気圧が比較的安定した日はほとんど見られず、気圧が大きく低下して気象病が起こりやすい日が多く、体調不良が続きやすい年でした。

2020年3月の気圧傾向

前半は低気圧が周期的に通過して気圧の低下が続いたり、低気圧の通過後に気圧が上昇した日が続き、気圧の変動が大きく、気象病が起こりやすい状態が続きました。後半は周期的に低気圧が通過して気圧が低下し、気象病が起こりやすい日が現れましたが、気圧の低下は長く続かず、移動性高気圧に覆われて気圧が比較的安定した日も現れました。

2021年3月の気圧の傾向

前半は短い周期で低気圧が通過し、低気圧の通過後に気圧が上昇したため、気圧の変動が大きく、気象病が起こりやすい日が多くなりました。後半は低気圧が通過する頻度が減少し、高気圧に覆われた日が多く、気圧の低下による気象病が起こりやすい日はやや少なくなりました。

2022年3月の気圧傾向

前半は周期的に低気圧が通過し気圧の低下が続いた日が現れましたが、気圧が比較的安定した日が続いた日も現れました。後半は低気圧と高気圧が交互に通過し、低気圧が発達して気圧の大きく低下した日が周期的に現れ、気象病が起こりやすくなりました。

低気圧が周期的に通過し、また低気圧が発達して気圧が大きく下がるなど気象病の起こりやすい日が多く現れた年が多くなりました。
頭痛ーるで日々の気圧変化の予想を確認し、頭痛などの気象病の体調管理を行うようにしてください。
「頭痛ーる」とは?

3月の天候や気圧変化の特徴と頭痛などの体調へ影響するポイントを理解して、体調管理を行うようにしてください。

この記事の監修者
飯山 隆茂
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士

気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
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