気象病の基礎知識

6月の天候や気圧変化の特徴~上旬に梅雨入りして梅雨空が続く~

目次


6月の天候の特徴
6月前半と後半からみる天候の特徴
芒種(6月6日頃~6月20日頃)
夏至(6月21日頃~7月6日頃)
6月の気圧変化の傾向

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6月の気象病~梅雨によるだるさやうつに注意~

6月の天候の特徴

6月の天候には下記の特徴があります。

本州で梅雨入り

5月上旬から中旬に沖縄・奄美地方で梅雨入りし、梅雨前線はしばらく沖縄付近で停滞しやすくなります。
5月末頃から6月上旬になると梅雨前線が北上し、本州南岸で停滞しやすくなると本州の各地で梅雨に入ります。梅雨入りが最も遅い東北北部でも6月中旬に梅雨入りすることが多く、北海道を除き曇りや雨の梅雨空が続きやすくなります。

梅雨のタイプ

梅雨には大まかに2つのタイプがあります。ひとつは激しく雨が降る時期と晴れて梅雨の中休みの時期が交互に現れるようなタイプで陽性型の梅雨と言われます。気温が高く、集中豪雨などの大雨が発生することが多くなります。
もう一つは雨が激しく降る日が少なく、しとしとと弱い雨の降る日が多く、晴れ間の出る日が少ないタイプで陰性型の梅雨と言われます。気温の上がらない日が多く、梅雨寒となります。
年によって梅雨のタイプが変わりますので、雨の降り方に注意するようにしてください。

梅雨前線の南北移動

梅雨の間、梅雨前線は本州のすぐ南で東西に延びて停滞することが多くなりますが、南に下がって本州から離れたり、日本海側まで北上したりするなど南北に移動します。
これは南海上の太平洋高気圧の勢力が強まったり弱まったりすることに関係し、太平洋高気圧の勢力が弱まると梅雨前線は南海上に離れ、太平洋高気圧の勢力が強まると梅雨前線は日本海側まで北上します。また、一時的に梅雨前線の活動が弱まり梅雨前線が消滅する場合もあります。

6月前半と後半からみる天候の特徴

芒種(6月6日頃~6月20日頃)

芒種(ぼうしゅ)は稲の穂先のように芒(のぎ)と呼ばれるとげのような針状の突起のある穀物の種まきをする頃という意味です。米は寒冷に弱い性質があるため、この時期に種まきをしていました。現在は品種改良が進み、もっと早く行われています。
西日本から梅雨入りして、東北地方まで梅雨に入ります。
梅雨時期の雨の降り方や梅雨時期の気温の傾向は年によって変わりますが、梅雨前線に伴う雲に覆われて雨が降りやすく、晴れ間の出る日が少なくなります。

梅雨の前半はオホーツク海に冷たい空気をもたらす高気圧が現れることがあり、この高気圧が現れると東北地方の太平洋側や関東では海から冷たく湿った「やませ」と呼ばれる風が吹き気温が上がらず梅雨寒(つゆざむ)になります。
一方、南から湿った暖かい空気が流れ込んで西日本を中心に熱中症が起こりやすい日が現れることもあり、気温が変動しやすい時期です。
梅雨前線上の低気圧が発達して気圧が大きく低下する場合がありますので、気圧変化を確認するようにしてください。
まだ真夏の暑さに身体が慣れていない時期でもあり、寒暖差が大きく、気温が急に高くなる場合は体調を崩しやすくなりますので注意が必要です。

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夏至(6月21日頃~7月6日頃)

夏至(げし)は北半球では1年で最も昼が長く、夜が短い日です。しかし、梅雨時期は雲が広がりやすいため、日の長さをあまり感じられないことが多いと思います。
梅雨前線や低気圧に伴う雨雲に覆われて雨が降りやすく、晴れ間が出るのは梅雨前線が南海上に下がって高気圧に覆われる時ですが、晴れ間の出る割合は東京で20%程度です。晴れると紫外線が非常に強くなりますので、紫外線対策が必要です。

また、梅雨前線の活動が活発になり大雨の降る恐れがありますので、雨の降り方に十分注意するようにしてください。
気圧が大きく低下する日は引き続き少なくなりますが、低気圧が発達して通過すると大きく気圧が低下しますので、定期的に気圧の変化を確認するようにしてください。

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6月の気圧変化の傾向

下記の図は東京の2018年~2021年の6月の気圧の状況です。赤マークは気圧の変動が大きく特に注意が必要で、次いで黄色、黄緑です。また、紫色は気圧の上昇で注意が必要です。水色は体調への影響が小さかった日を示しています。
気圧の傾向は年による違いが見られました。

2019年6月の気圧傾向

月初めは高気圧に覆われ晴れ間の出た日もあり、大きく気圧が低下した日は少ないものの、上旬後半は梅雨前線や湿った空気の影響で天気がぐずつき、大雨の日もありました。後半は梅雨前線上の低気圧の影響で気圧が大きく低下した日があり、湿った空気の影響で梅雨らしい天気が続き、気象病の起こりやすい日が多くなりました。

2020年6月の気圧傾向

前半は梅雨前線上を低気圧が通過した日はあったものの、気圧の低下の比較的小さい日が多くなりました。しかし、梅雨前線や湿った空気の影響で雨の降る日が続き、気象病が発生しやすい日が多くなりました。後半は低気圧がやや発達して通過したため、気圧が低下して雨の降った日が多く、気象病の起こりやすい日が続きました。

2021年6月の気圧傾向

上旬前半と下旬後半は梅雨前線や前線上の低気圧の影響で気圧が低下し大雨も降りました。上旬後半から下旬前半は気圧が大きく低下した日は少なかったものの、梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の梅雨空が続き、気象病が発生しやすい日が多くなりました。

2022年6月の気圧傾向

上旬前半は梅雨前線が南に離れていたものの、上旬後半から中旬は梅雨前線が本州南岸に停滞しやすく、前線上の低気圧が発達して気圧が大きく低下する日もあり、気象病の起こりやすい日が多くなりました。下旬は一時低気圧の通過で気圧が低下しましたが、太平洋高気圧に覆われて気圧の低下した日が少なく、気象病の起こりやすい日は少なくなりました。

「頭痛ーる」とは?

6月の天候や気圧変化の特徴と頭痛などの体調へ影響するポイントを理解して、頭痛ーるで日々の気圧変化の予想を確認し、頭痛などの気象病の体調管理を行うようにしてください。

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この記事の監修者
飯山 隆茂
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士

気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
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