いつも頭痛ーるをご利用いただき誠にありがとうございます。頭痛ーるはこの度10周年を迎えました。
そこで10年前、頭痛ーるはどのようにして誕生したのか、みなさまにご紹介いたします。
開発のきっかけは2012年当時、社内の気象予報士が大学卒業後に通った気象カレッジという専門学校で「雨が降ると頭痛がする」という症状について、卒業研究で取り組んでいたことにあります。
この経験から、気象と痛みの関係をアプリで「見える化」してはどうかという発案と、「新しいアプリをどんどん作っていこう」という社内の動きが合致し、『頭痛ーるプロジェクト』が発動しました。
アプリを作るために、まずは気圧と頭痛の調査研究を社内で行いました。頭痛持ちの社員10人が約8ヶ月間、頭が痛くなった日と時間を専用のシートに記入していきました。
その痛みのデータと気象を照らし合わせ、どういった時に痛みが発生しているのかを分析しました。
(現在は多くのユーザー様のデータを元に分析した結果を取り入れて、より正確な情報を提供しています。)
最も苦労した点は、気圧変動の大きさをどう見せていくか。絶対的な気圧の低さも重要ですが、より重要なのは「気圧差」です。気圧が下がっていくときにちゃんと下がっているように見せる。これが意外と大変でした。
解決法は、まず気圧の変動を常に追うために、スクロールしてもスクロールしても、常に値が中央にある作りにする事でしたしかし常に値が真ん中にあるということは、気圧の底にある時にそれを感じづらくなってしまうということでもあります。
それを解決したのが左につけたスケールです。これで常に気圧の値を中央に置きながら、今どこまで気圧が下がっているか実感できるようになりました。
キャラクター、グラフの描画の仕方、プロモーションまで、どんな完成形をもっていけば良いのか、みんな、お互いの領域を超えて話し尽くしました。世の中に受け入れられるのか全く無視されるのか、先の見えない道のりでしたが、成功させたくて皆で必死で考えました。
アプリのカラーリングは頭痛時に見るものだから、片頭痛の緩和が期待される寒色系の配色になりました。キャラクターはお天気の変化を敏感に察知する猫とふくろうに決定しました。
キャラクターには、頭痛や不調を少しでも忘れて、癒しを感じて頂けるようにとの願いをこめています。
そこからはデザイナーの独特の世界観がふくらんでいき、キャラクターたちの秘密のストーリーまで誕生し、これは今でも反響があります。
リリース直前、不安だった点が2つありました。
ひとつは、天気や気温や気圧いろんな要素がつまったアプリだったので、複雑すぎて使い方が分からないのではないかということ。
ふたつめは、そもそもの話ですが、気圧の影響で頭痛になる人って世の中にどれくらいいるのか?使っていただけるのか?という点です。
しかし、その不安は吹き飛びました。リリース直後にいくつかのレビューサイトへ取り上げられ、低気圧頭痛というニッチなジャンルにもかかわらず1ヵ月で4万ダウンロードという当初の想定をはるかに超えたダウンロード数となりました。
また「シンプル!」「かわいい!」「なごむ!」「便利!」という好意的な感想を多く頂き、難しくて使い方が分からないという感想は殆どありませんでした。
プロジェクトメンバー皆で、へとへとになるまで話し合って作ったものなので、こういうお言葉をいただくとメンバー全員の労がねぎらわれたような気持ちになり、うれしくなりました。
頭痛ーるは今年で10歳になりました。現在は「気象病」が少しずつ世の中に知られて、SNSでは「気圧のせい」という言葉を目にするようになりました。
頭痛ーるのミッションはこれからも、「体調不良の原因がわかり、周囲が理解をもって迎えてくれる環境をつくる事」です。そして気象病の予報を通じて多くの人の生活をより豊かなものにしたい、そんな願いを抱いています。