気象病の症状がある人は、そうでない人よりも内耳が敏感です。大気中の気圧が乱れると、ほかの人が感じない微妙な気圧の変化に内耳の中にある気圧センサーが過剰に反応し、めまいや耳鳴り、吐き気などの症状が現れます。また、もともと持っている痛みの感覚を呼び起こすことにつながっています。
抗めまい薬は内耳の血液の循環を改善する作用があり、神経の興奮を抑えることで、めまい以外の症状を改善する効果があります。
めまいや耳鳴りなどの予兆が現れはじめた時点で抗めまい薬を飲むことによって、その後に続く痛みの発生を抑える効果が期待できます。
頭痛ーるでめまいが起こる可能性のあるタイミングを確認して、寝る前などに抗めまい薬を服用するのも効果があるようです。
市販の酔い止め薬で効果がある方もいるそうですが、内耳に作用する成分が入っているものや吐き気やむかつきを緩和させる成分が入っているものなど種類があり、人によって効果に差があるので、薬剤師に相談して購入しましょう。
漢方薬を使って治す場合もあります。
五苓散(ごれいさん)は水分の循環を改善して、無駄な水分を取り除く作用があります。むくみ、めまい、頭痛、吐き気などに用いられます。
また半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)も五苓散(ごれいさん)と同様に水分の循環を改善して、無駄な水分を取り除く作用があります。頭痛や頭重感、吐き気や嘔吐、手足の冷えなどをともなうときに用います。普段から胃腸が弱く、冷え性で体力のあまりない人に向いています。
舟久保 恵美