爆弾低気圧とは、急速に発達する温帯低気圧の事で、台風など熱帯低気圧は対象ではありません。
『爆弾低気圧』の定義としては、中心気圧が24時間で24hPa×sin(φ)/sin(60°)以上低下する温帯低気圧(φは緯度)。
温帯低気圧の中心気圧が24時間で 24 × sinφ/ sin60° 以上、下がる(φ:緯度)
例えば北緯40°(秋田)なら17.8hPa/24h、北緯35°(名古屋)なら15.9hPa/24h、北緯30°(屋久島の南)なら13.9hPa/24hの気圧低下が基準となります。
一方、気象庁では爆弾低気圧ではなく、『急速に発達する低気圧』などと言い換えるように推奨していますが、『急速に発達する』とは、低気圧の中心気圧が12(24)時間以内で約10(20)hPa以上下がる事で、厳密には、爆弾低気圧の定義とは異なります。台風も対象になっています。
低気圧、台風の中心気圧が12時間以内で10hPa以上、又は24時間以内で20hPa以上、下がる事
爆弾低気圧は、正式な気象用語ではないものの、テレビやメディアなどでは使われており、言葉から連想される事と被害をもたらす現象からある程度、一般に浸透しています。
(気象庁では『急速に発達する低気圧』としています。)
爆弾低気圧は冬の日本海や本州の東海上、春から初夏頃にかけての日本海で見られる事が多くあります。春は北には冬並の寒気が残り、一方南には夏並の暖気があり、それぞれがぶつかるちょうど日本海付近では、温度差をエネルギーとする温帯低気圧が急速に発達しやすく、爆弾低気圧となります。
爆弾低気圧は冬から春にかけては春一番をもたらし、各地で暴風や激しい雨など大荒れの天気となり、低気圧からのびる寒冷前線の後面には強い寒気があるため、ゴールデンウィークの頃でも標高の高い場所では雪になるなど、大きな被害をもたらす気象現象です。
飯山 隆茂