アメリカでの調査によると、片頭痛患者の約80%がストレスが頭痛の要因となり、続いて女性ホルモンが約65%、空腹が約57%、天気が約53%、睡眠障害が約50%という報告があります。
気象以外の要因としてストレスの比率がかなり高くなっています。頭痛ーるでアラートが出ていないときに頭痛がしている場合は、ストレスを感じることがなかったか、寝不足になっていないか、疲労が出ていないかなど、誘発因子に該当することがなかったか思い浮かべてみてください。
現代人は、なかなか心が休まる時間を持てません。溢れる情報に晒され、一日の中で処理しなければならないことが増えていき、頭の中はたくさんの思考でいっぱいになっています。
不安や否定、評価、どうにもならない過去に囚われる、まだ起きていないことへの恐怖心など、常に「現実の今ここにないこと」をあれこれ考えて疲れてしまっています。
その状態を続けていると、自分がどうしたいのか混乱したり、悲観的になって落ち込んだり、攻撃的になってしまうなどのストレスが溜まり、イライラの原因になるのです。
そして、その心の状態が態度や言葉に出ると、人間関係にも影響を及ぼします。そんな状況に対してさらにイライラするという悪循環に…。
面白いことに、そういったストレスを作り出しているのはたいてい「自分の心」です。イライラさせているのは他の人や状況ではなく、過去の出来事やまだ見ぬ未来をいつまでも考え続けている心にあります。
つまり、今に集中していれば、イライラさせる思考に支配されなくなるということです。
マインドフルネスとは「今、ここ」に集中し、自分の心の状態を正しく理解し、意識的に改善していこうとするものです。
それにより、心に振り回されることや漠然とした不安感がなくなり、精神的に安定して、イライラしなくなっていくのです。
では、マインドフルネスな状態になるにはどんな練習方法があるのでしょうか。その方法によく用いられるのが瞑想です。
やり方は、姿勢を正し、自分の呼吸に意識を向けるというシンプルなもの。立っていても座っていても大丈夫ですが、最初は心地よく座れる状態を作るとよいでしょう。
背筋を伸ばし、肩の力、顔の力を抜いて、目は閉じるか半眼でどこか一点を見つめます。また瞑想は、続けることで徐々に効果を感じてきます。瞑想する時間や場所を決めておくとよいでしょう。
瞑想と言えば「無になること」ととらえがちですが、いきなり「無」になるのは上級者でも難しいことです。まずは何かひとつのことに集中する。「今、ここ」に意識を向けることからはじめましょう。
一番簡単な方法として、瞑想中は繰り返される自分の呼吸に集中することです。
呼吸に意識をむけることでいつの間にか、頭の中の雑念から意識が離れ「今、ここ」に、意識を向けやすくなります。
まずは1分から今の自分の呼吸に意識を向ける瞑想をしてみましょう。タイマーをセットするか、または瞑想専用のアプリを使いながら瞑想するとよいでしょう。
慣れてきたら5分、10分と時間を伸ばします。またストレス軽減や快眠など、目的別に合わせてインストラクターの誘導に耳をかたむける瞑想も、マインドフルネス瞑想と合わせて行うことで、さらに瞑想が身近なものになっていきます。
ヨガや瞑想の世界では、考えても答えがでないことを考え続けることや、現実に起きていること以外を考えていること、つまり「思考が旅」をするとことが、心とカラダを疲れさせる原因のひとつになるとも考えられています。
呼吸に意識を向けたり、聞こえてくる音に集中したり、自分の視界に入る景色や、カラダのパーツを見続けるなど、目の前に起きている現実に集中し、意識を向けることを繰り返しましょう。
「今、ここ」に意識を向けることに慣れてくると、頭の中がだんだんと整理され、集中力が高まり、心に余裕がうまれ、気持ちもだんだん穏やかになっていきます。
また、お腹を大きく膨らませて行う腹式呼吸は、緊張状態のときに働く交感神経の働きを抑え、リラックスしているときには副交感神経を優位にしてくれます。
ゆっくりと大きな呼吸に集中しながら瞑想を行うことで、自分の考えに無意識に飲み込まれてイライラすることが少なくなります。これがストレスの緩和に役に立つのです。
ぜひ1日1分からのマインドフルネス瞑想をはじめて、ご自身の体調の変化を観察してみましょう。
※腹式呼吸は寝ているときに行っている呼吸です。吸うときにお腹が大きく膨らみ、吐くときに元の位置に戻ります
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