データ分析や気象予報業務などに携わっています。
趣味は野球観戦。
気象予報士だけで結成された劇団「お天気しるべ」の団員としても活動しています。
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気圧グラフを見て、「今日も爆弾マークが出ている!もしかして自分の住んでいる地域は気圧が下がりやすいのかな?」とか、全国予報を見て、「○○地方はよく注意マークが出ているな~、地域によって気圧変化に差があるんじゃないか?」などと思ったことはないでしょうか。
今回はそんな疑問にお答えし、2021年のしめくくりとして今年1年間を通した気圧の受けやすかった都道府県をランキング形式で発表していきたいと思います。
昨年のランキングはコチラ⇩
⇩すべての順位はこちら
順位 | 都道府県 | ポイント |
---|---|---|
1 | 山梨県 | 1155 |
2 | 埼玉県 | 1115 |
3 | 栃木県 | 1089 |
4 | 群馬県 | 1087 |
5 | 宮城県 | 1073 |
6 | 青森県 | 1071 |
7 | 北海道 | 1070 |
7 | 東京都 | 1070 |
9 | 福島県 | 1066 |
10 | 茨城県 | 1063 |
11 | 秋田県 | 1044 |
12 | 神奈川県 | 1043 |
13 | 岩手県 | 1042 |
14 | 千葉県 | 1037 |
15 | 静岡県 | 1020 |
16 | 山形県 | 1012 |
17 | 新潟県 | 1003 |
18 | 長野県 | 971 |
19 | 富山県 | 954 |
20 | 岐阜県 | 888 |
21 | 石川県 | 884 |
22 | 鳥取県 | 883 |
23 | 福井県 | 880 |
24 | 愛知県 | 863 |
25 | 京都府 | 862 |
26 | 島根県 | 860 |
27 | 三重県 | 845 |
28 | 高知県 | 839 |
29 | 奈良県 | 837 |
30 | 岡山県 | 830 |
31 | 徳島県 | 810 |
32 | 兵庫県 | 804 |
33 | 大阪府 | 802 |
34 | 香川県 | 798 |
35 | 滋賀県 | 795 |
35 | 宮崎県 | 795 |
37 | 和歌山県 | 780 |
38 | 広島県 | 779 |
39 | 山口県 | 753 |
40 | 熊本県 | 752 |
41 | 大分県 | 732 |
42 | 愛媛県 | 724 |
43 | 鹿児島県 | 722 |
44 | 佐賀県 | 716 |
45 | 福岡県 | 701 |
46 | 長崎県 | 671 |
47 | 沖縄県 | 618 |
※気圧変化を総合的に評価するため、警戒アラートが3P、注意が2P、やや注意が1P、上昇注意が1Pとして、その合計値でランキング付けをしました。
昨年に引き続き、1位は1155Pで山梨県となりました。
山梨県は山に囲まれた盆地や、標高の高い地域が多くあるのが地形的な特徴です。
盆地や標高の高い地域は、朝晩と日中との気温差(1日の寒暖差)が大きくなる傾向があります。この気温差は気圧変化に影響を与えます。
気温差が大きい日は、日中に気圧が下がり、夜に気圧が上昇しやすくなります。
このため他県が高気圧に覆われて気圧が安定する日でも、山梨県内は気圧の変動する日がありますので注意が必要です。
2位は埼玉県、3位は栃木県、4位は群馬県といずれも関東の内陸に位置する3県が上位に入りました。
関東地方は日本の東側に位置しているため、西から発達しながらやってくる低気圧が、最後に通過する地域となることが多いです。このため低気圧がより発達した状態で通過し、気圧が他の地域よりも大きく下がることになります。
また、埼玉県や栃木県、群馬県は海に面していない県ですので、山梨県ほどでないにしても、1日の気温差が大きくなる傾向があり、気圧も同時に変化しやすくなります。
発達した低気圧が通過しやすいという地理的条件に加えて、気温差が大きいという気候的な条件も加わって、気圧変動が大きくなる日が多いのが特徴です。
2021年、最も気圧の影響を受けなかった都道府県は、昨年同様に沖縄県となりました。
日本の最南端に位置している沖縄県は、発達した低気圧が通過することが少ないという特徴があります。
梅雨明けし、高気圧に覆われると爆弾マークが何週間も出ない状態が続くことも珍しくありません。
年間を通しても、気圧が安定していることが多いですが、油断は出来ません。
夏~秋にかけては勢力の強い台風が接近することもしばしばあります。
普段は気圧が安定していても、台風の影響を受けた時には、他の地域では見られないような気圧変化が起こりますので、台風には十分な注意が必要です。
沖縄に次いで、気圧の影響を受けにくい地域は九州になります。
気圧の影響が大きかったランキングで40~46位に位置し、全国の中でも屈指の気圧変化が小さい地域です。
これは九州が沖縄を除くと、日本の一番西に位置しているためです。
西からやってくる低気圧が一番最初に到達するのが九州になります。
その時、低気圧はまだ大きくは発達しきれていないため、低気圧が通過しても九州では気圧が大きく下がらないことがあります。
それでも沖縄同様に、台風の影響は受けやすい地域となりますので、夏~秋にかけては台風の動向に注意が必要です。