気象病を防ぐ方法

春に現れやすい春愁と適応障害に注意

春に現れやすい春愁と適応障害に注意
春はなんとなく憂うつな気分になることがありますが、どうしてでしょうか。憂うつな気分をもたらすストレスの原因についてご説明いたします。また、このストレスが適応障害という症状につながる可能性がありますので、適応障害についてと予防と対策についてご説明します。

春愁とは

春の季語に春愁(しゅんしゅう)ということばがあります。春愁とは「春の季節に、しだいに暖かくなり、うるおいを感じる気候に伴って起こるなんとなく憂わしい感情をいう。春の物思いである。」と説明されています。

春の気温変化の特徴

春は少しずつ暖かくなりますが、日中は暖かく感じられても朝晩は冬のような寒さがあり、日中と朝晩との気温の差が大きい季節です。また、一旦暖かくなっても、上空に寒気が南下してくると再び寒くなってしまうため、日々の気温の差が大きい特徴があります。

春の気圧配置

この気温差をもたらしているのが低気圧と高気圧が短い間隔で日本付近を通過することが影響しています。冬の間は西高東低と呼ばれる冬型の気圧配置が長く続くことが多いため、日本海側は雪や雨の日の降る日が多く、太平洋側は乾燥した晴天が多くなり、前日との気温差はあまり大きくならない傾向があります。
しかし、暖かくなると冬型の気圧配置は続かなくなり、低気圧と高気圧が交互に通過するようになり、日々の気温の差が大きくなります。

春の気温変化によるストレス

朝晩の気温の差の寒暖差が多く現れることが、身体へストレスを与えることになります。この寒暖差にいるストレスで自律神経が緊張した状態が続くことで、自律神経に負荷がかかり体調を崩しやすくなります。このため、身体は気付かないうちにストレスを受けていることになります。

環境の変化によるストレス

4月は職場や学校で新しい生活が始まることが多く、新しい環境による緊張感によっても自律神経が緊張した状態が続きやすくなることでも体調を崩しやすくなります。

ストレスによる適応障害とその症状

このストレスが大きくなると、「ストレスが原因で引き起こされる情緒面や行動面の症状で、社会的機能が著しく障害されている状態」の適応障害と呼ばれるような状態になります。
適応障害に該当する症状には多くの症状があり、具体的な精神症状と身体症状には以下があります。

1)精神症状

 憂うつな気分や不安感が強くなりますので、涙もろくなったり、過剰に心配したり、神経が過敏になったりします。また、怒りや焦燥感、気分の落ち込み、集中力の低下、自信の欠如、意欲の低下、対処能力の低下なども現れます。その他にも、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状がみられることもあります。

2)身体症状

 不安が強く緊張が高まると、ドキドキしたり、汗をかいたりめまいなどの症状がみられることがあります。その他にも、全身倦怠感、頭痛、腰痛、不眠、起床困難、食欲不振、下痢などの症状がみられます。

適応障害を予防するための対策

適応障害を予防するための対策

1)ストレスをためない

 ストレスが原因となって症状が起きやすくなりますので、ストレスをなるべくためないようにすることが大切です。ストレスを受けないようにすることは難しいですが、ストレスを発散することでストレスが溜まった状態が続くことを防ぐことはできます。
ストレスの発散方法は人によって違うと思いますが、毎日リラックスするための時間を持つことでストレス解消につながります。一般的にはゆっくりお風呂に入ってリラックスするとかスローテンポな音楽を聴いたり、ペットと接したり、創作活動をしたり、体を動かしたりするなどがあります。自分に合ったストレス発散を毎日行うようにしましょう。

2)疲れをためない

 疲れや疲労があると適応障害の症状が悪化してしまいますので、疲れがたまらないように休養を取ることが大切です。疲れがたまらないようにあまり無理をせず、こまめに疲れをとるように体を休めるようにしましょう。

3)睡眠と生活リズム

 ストレスや疲労の回復には十分な睡眠が不可欠です。十分な睡眠は睡眠時間よりも睡眠の質が重要で、ぐっすりと眠れすっきりと目覚めることができたかどうかが大切です。また、考え事をすることは睡眠の妨げになりますので、なるべく夜に考え事をしないようにすることを心がけましょう。また、良い睡眠を取るためには、生活リズムを整え、毎日同じ時刻に起きたり、朝食を抜かないようにし、夜も遅くまで起きていないようにすることが大切です。

さいごに

寒暖差によるストレスの対策については下記に説明がありますのでご覧ください
https://zutool.jp/column/prevention/post-19149

春は気象変化や環境の変化によるストレスを知らず知らずのうちに受けています。少しでも適応障害の症状が出ていると感じた場合は、ストレスの発散や疲労回復、十分な睡眠や生活のリズムを意識して過ごすようにして、身体を維持するようにしましょう。

参考文献
季語辞典 大後美穂編 東京堂出版
心の健康管理 健康管理士一般指導員受験対策講座 日本医協学院
うつ病・適応障害予防の対策シンプル3つ こころ診療所
https://kokoro-kichijoji.com/psychiatry/utuselfcare/utuyobou.html
春に多いうつ病 医療と心の話 品川メンタルクリニック
https://www.shinagawa-mental.com/column/psychosomatic/depression/

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この記事の監修者
飯山 隆茂
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士

気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
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