アイビー・ペットライティング代表
獣医師歴27年の経験を活かし、各方面で活躍。
得意分野は皮膚疾患で、皮膚科・内科を中心とした一般診療に従事。予防にも力を入れている。
お天気が悪い日は何となく気持ちが沈みがちですね。体調がよくないと感じる方が多いかもしれません。これは気圧が影響しているといわれていますが、猫も影響を受けるのでしょうか?
雨の日は普段活発な猫も、気のせいかおとなしめで寝ている時間が多くなることがあります。すべての猫がそうではないかもしれませんが、みなさんの家族の猫はいかがでしょうか?
かつて戸外で生活していた時には雨が降ると活動できないため、できるだけ雨の被害を受けない場所に隠れていたことでしょう。その名残なのでしょうか、雨が降る日にはひっそりしているイメージがあります。
大雨の日には雨音が激しく、風が強く雷が鳴ると猫たちにはその音が恐怖になるかもしれません。ますます、身を縮めてこもってしまう原因になるかもしれませんね。
雨の日は低気圧になるのですが、低気圧になると体にかかる圧力が低くなるので血管の圧が緩み拡張します。また、耳の奥にある内耳という場所も気圧の変化を感じ取りますが、気圧が下がると内耳を刺激し自律神経に影響を与えます。
低気圧は血管や神経に影響を与えてしまうため、猫の体調にも変化が起こります。
このように気圧が猫に影響を与えて体調不良が起こることを、気象病と言います。
低気圧の日は元気がない、食欲がないといった症状以外の体調不良が起こることがあります。さらに吐き気が起こったり、腎臓や心臓が悪い猫の場合は症状の悪化や、喘息、下痢などの消化器症状が起こる可能性もあります。
お天気を変えることはできませんが、お天気の変化に備えることは可能です。天気、気圧と体調について記録をとってみましょう。何らかの関連性が見つかれば、気象病に対して備えることができるかもしれません。気圧の変化を見ながら様子を確認すると、猫の体調管理に役立つのではないでしょうか。
ひたすらじっとして耐えている姿を見ると、何かしてあげられることはないかと思いますよね。天気の悪い日に調子が悪そうな場合は、少しお部屋の電気を暗めにして静かにそっとしておいてあげましょう。体調も気持ちも回復し、いつも通りに甘えてくれたら、いっぱい遊んであげましょう。