ペットの体調管理

ペットと気象病Vol.13:ペットも紫外線に注意!紫外線が与える影響と対策

頭痛ーる|ペットも紫外線に注意!紫外線が与える影響と対策
そろそろ紫外線が気になる季節ですね。人では紫外線と言えば、日焼けやシミ、しわ、皮膚がん、白内障など、様々な悪影響を及ぼすことが分かっています。しかし、人体のビタミンDは紫外線を浴びることで体内で合成されますので、必要なものでもあります。
犬にとって紫外線対策は人と同様に必要なものなのでしょうか?今回は、犬と紫外線の関係について紹介します。

1. 紫外線とは?

紫外線とは太陽光に含まれる目に見えない光の一種で、波長が短く、強いエネルギーを持つもののことを言います。紫外線には次のような種類があります。
・UV-C:波長が最も短く、オゾン層でほとんど吸収されるため、地表には到達しません。
・UV-B:地表に淘汰すし、日焼けや皮膚がんの原因になります。
・UV-A:地表に到達し、肌の奥深くまで到達し、光老化コラーゲンを編成させたり、メラニン細胞の沈着を促進したりします。

2.紫外線の良い影響

紫外線に対して「体に悪影響を与えるもの」という悪い印象を持っている方のほうが多いのではないかと思います。実は、紫外線が不足することでビタミン不足が起こることがあります。

・ビタミンDの合成

 皮膚に存在するプロビタミンDという物質が紫外線の刺激を受け、ビタミンDに変換され体内で利用できる形になると言われています。
ビタミンDは食物からのカルシウム吸収を促進し、血液中のカルシウム濃度を一定に保つ作用があります。そのため、適度に紫外線を浴びないとカルシウム不足が起こり骨折しやすくなります。 

・殺菌作用

紫外線には殺菌作用があります。トリミングサロンにも紫外線消毒器が設置されており、ハサミやくしなどを消毒する場合もあります。

3.紫外線の注意したい影響

・発がん性

紫外線には発がん性があることをご存じの飼い主さまも多いのではないでしょうか。特に皮膚に対する影響が大きく、「扁平上皮癌」「基底細胞癌」の発生が多いです。
※被毛が白い猫は紫外線の影響で耳の先端や鼻先に扁平上皮癌が起こりやすいので特に注意が必要です。。

・日光過敏症(日光性皮膚炎)

強い紫外線を受けることが原因で発症する皮膚炎です。被毛がうすい場所に起こりやすく特に鼻先は注意が必要です。皮膚が赤くなる、脱毛、潰瘍ができるなどの症状が現れることがあります。

・シミ

皮膚に紫外線が強く当たり続けると、紫外線の侵入から皮膚を守るためにメラニン色素が産生されます。その結果、皮膚が茶色く見えるのが日焼けです。犬の場合は被毛があるので問題になることは少ないのですが、被毛の薄い部分やもともと被毛がうすい犬種は注意が必要です。夏になるとサマーカットで地肌が見えるほど短くすると紫外線の影響を受けやすくなるかもしれません。

4.犬の紫外線対策

紫外線に適度に当たることは必要ですが、過度に当たることは皮膚に悪影響を与えることもあります。犬におすすめの紫外線対策について紹介します。
頭痛ーる|犬におすすめの紫外線対策

・UV対策できる洋服の利用

UVカット素材を使用した犬用の服が販売されています。日差しが強い時のお散歩や窓際での日向ぼっこが好きな犬は洋服を着て紫外線対策をしてあげて下さい。

・散歩時間の変更

朝と夕方をお散歩タイムにしているご家庭が多いと思います。しかし、真夏になると気温が上がる時間も早く紫外線も強くなります。散歩の時間を変更することで熱中症や紫外線の対策になります。

・UV対策のカーテンなどの利用

室内でも窓越しに紫外線は入ります。最近はUV対策用のカーテンや遮熱機能がついたカーテンもありますので、有効利用してみましょう。

・日焼け止めの利用

最近、犬用の日焼け止めが販売されるようになりました。スプレータイプやスティックタイプのものなどがありますので、使用部位にあわせて変えてみるのもよいでしょう。

5.まとめ

今回はペットの紫外線対策について紹介しました。紫外線は天気によって変わり、天気が良いほど紫外線は強くなります。頭痛ーるの「ペット天気予報」では地域ごとの「お散歩注意指数」や「熱中症指数」を確認することができます。ぜひ頭痛ーるアプリをダウンロードして、ペットの健康を守っていきましょう。

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この記事の監修者
平松 育子/獣医師・アロマテラピーインストラクター
平松 育子/獣医師・アロマテラピーインストラクター
ペテモ動物病院 院長
アイビー・ペットライティング代表

獣医師歴27年の経験を活かし、各方面で活躍。
得意分野は皮膚疾患で、皮膚科・内科を中心とした一般診療に従事。予防にも力を入れている。
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