真夏に注意したいペットの体調管理
梅雨が明ける7月後半から8月は1年で最も暑くなる時期になります。ペットは人よりも暑さの影響を受けやすくなりますので、暑さを中心とした体調管理が必要になります。
真夏のペットの体調管理のポイントをお知らせします。
近年の熱中症の状況
消防庁のまとめによると2023年は7月と8月の全国の救急搬送数の合計は71,384人で、2008年の調査開始以降で2018年の84,630人に次ぐ人数でとなりました。
2018年以降は2021年を除き増加しています。近年の真夏は最高気温が35℃を超える猛暑日が増えています。
また、アニコム損害保険がまとめた犬・猫の2023年7月と8月の熱中症の診療件数は1,002件で、2022年の721件の1.4倍に増加していました。
近年は最高気温が35℃を超える猛暑日が増えており、また、2024年は猛暑が予想されていますので、ペットも熱中症への注意が必要です。
熱中症になりやすい気象状況
熱中症のなりやすさは気温と湿度を加味した暑さ指数で示されます。暑さ指数の目安では室内にいても気温が28℃で湿度が75%あると熱中症への警戒が必要で、それ以上の場合は室内の気温や湿度を下げる必要があります。
犬や猫は人よりも低い25℃以上の気温になるとで熱中症になりやすく、エアコンを28℃に設定するのは危険です。また、湿度は60%以下が好ましく、獣医師の平松育子先生にお聞きすると、犬や猫にとって室温が23~26℃で湿度が45~55%くらいがちょうど良い室内環境とのことでした。
この室内環境は人にとっては涼しく感じられると思いますが、室内の気温や湿度が高くなっていないかを都度確認するようにしてください。
室内環境のコントロール
真夏は夜でも25℃以上の熱帯夜となり、日中は35℃以上になることもあり、熱中症に注意が必要な室温との差は10℃にもなります。ペットが過ごす室内に温度計や湿度計を設置して、室内の気温や湿度を都度確認できるようにしましょう。
また、南側の日当たりの良い部屋などでは日射熱の影響を受けやすいため、遮熱効果の高いカーテンやブラインドなどを活用して、部屋に入る日差しを遮蔽するようにしましょう。カーテンやブラインドはペットが日差しを避けられる場所を用意することにもつながります。
また、夜は気温が日中より下がるものの、外の湿度は日中より高くなりますので、エアコンを止めた場合は室内の湿度が高くなっていないか注意してください。
水分補給
気温が上がると、体内の水分が減少しますので、脱水を防ぎ体温を少しでも低下させることにつながる飲み水を切らさないように十分注意してください。普段からあまり水を飲まない犬の場合、氷を入れると飲水量が増えることがあるようです。
また、水はこまめに交換しましょう。1日に2回以上、交換した方が良いようです。
お散歩する時間
夏のアスファルトは非常に熱く、肉球が火傷する危険があります。また、お散歩で犬が受けるアスファルトの上の気温は人が感じる高さの気温より暑く、熱中症へのリスクがあります。
このため、気温が低く、路温が熱くなる前の早朝や気温と路温が下がる夜遅い時間にお散歩をしたり、お散歩を行わないような対応を心がけるようにしてください。
なお、頭痛ーるでは外での熱中症指数と犬のお散歩注意指数を提供していますので、ご参考にしてください。
気圧変化の影響
真夏は太平洋高気圧に覆われることが多く、日々の気圧変化は比較的小さく、気圧変化による体調への影響は少なくなります。しかし、気温が上がり、午後に雷雲が発生して雷雨になると一時的に気圧が変化することがありますので注意が必要です。雷の音を怖がる犬もいますので、天気予報で雷が発生しそうかどうかを事前に確認すると良いでしょう。
また、台風が接近すると気圧が大きく変化し、体調に影響を及ぼす恐れがありますので、南海上で台風が発生した際は、いつ頃接近しそうかを随時確認するようにしてください。
頭痛ーるでは台風が発生している際は、台風の進路予想を表示していますのでご利用ください。
頭痛ーるで提供しているペットの熱中症指数や犬のお散歩注意指数、気圧変化、台風情報などを真夏のペットの体調管理にお役立てください。
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参考資料
消防庁:令和5年(5月から9月)の熱中症による救急搬送状況
アニコム損害保険:2024年4月18日ニュースリリース 犬と猫の熱中症週間予報
ペット&ファミリー損害保険 Pet News Storage:
【獣医師監修】犬の暑さ対策はどうする?日本の夏を快適に過ごす方法