データ分析や気象予報業務などに携わっています。
趣味は野球観戦。
気象予報士だけで結成された劇団「お天気しるべ」の団員としても活動しています。
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季節の変わり目は天気の崩れる日が多くなります。春から夏に季節の移り変わる、6月~7月頃に曇りや雨の日が続く季節のことを「梅雨」といいます。
「梅雨」の時期は体調を崩しがちになる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は梅雨時期の気圧変化の特徴と注意点について、お伝えしていきたいと思います。
梅雨の時期は低気圧が発達することによって、曇りや雨の日が多くなり、気圧も大きく低下して体調も崩してしまうイメージの方もいるかもしれません。
ただ実は、梅雨時期は意外と気圧が大きく低下することは少ないことが分かっています。
こちらは東京都における過去5年間の各気圧アラートの出現率を示した表です。
気圧が大きく低下する時に出現する、赤色の「警戒」アラートは11~4月の寒い季節に多くなっていることがわかります。一方、夏場は8月をピークに赤色の「警戒」アラートが少なくなっています。
これは真夏の暑い季節ほど低気圧が発達しにくくなるためです。低気圧は(北の地域と南の地域の)気温差が大きくなると、より発達するという性質があります。冬場は北と南で気温差がとても大きくなり、低気圧がよく発達しますが、夏場はどの地域でもあまり気温に差がなくなって、低気圧は発達しにくくなります。
では何故、梅雨の時期は低気圧が大きく発達しなくても、曇りや雨の日が多いのでしょうか。それは梅雨前線によって、天気が崩れるためです。低気圧が発達しなくても、前線によって雨の降る日が多くなります。
では梅雨時期は、気圧が大きく低下することが少ないからと言って安心なのでしょうか。いいえ、決してそんなことはありません。
夏場になると低気圧自体は発達しにくくなりますが、低気圧の動きは遅くなる傾向があります。夏場になると上空高いところで吹いている低気圧を動かしている偏西風が弱まることが要因となります。
低気圧の動きが遅くなると、低気圧が通過するまで、長時間気圧の低下が続くことになります。
上の気圧アラート出現率の表を見ても、梅雨時期に当たる6月は黄緑色の「やや注意」のアラートが多めとなっています。気圧の大きな低下はなくても、下がる時間帯が長いことがわかります。
気圧の急激な低下は少ないが、気圧が低下すると長時間続いてしまうことがあるのが梅雨時期の気圧変化の大きな特徴です。また湿度も高いため、気圧変化が小さくても体調を崩しやすい気象条件となりますので、十分な注意が必要です。
『頭痛ーる』では、先の気圧変化や天気を確認することができ、体調不良が起こりやすくなるタイミングを把握することができます。
これから迎える梅雨の時期、『頭痛ーる』をご利用いただくことで、少しでも体調管理のお役立てができたらと思っております。
これからも『頭痛ーる』をどうぞよろしくお願いいたします。