気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
暑い日が続くと、体がだるい、やる気が出ない、食欲が出ないといった夏バテの症状が起こりやすくなります。
夏バテには次のような症状があります。
屋外は非常に暑く、屋内は冷房が効いて寒暖差が大きい状況で、屋外と屋内を行き来すると体温を調節している自律神経の交感神経と副交感神経の働きが頻繁に変化することになり、正常に働くことができずに自律神経の乱れが夏バテの症状を引き起こします。
体温を下げるために、大量の汗をかきます。汗をかくことで体内の水分やミネラルが失われ、適切な水分補給が行われないと、脱水症状が起こり、頭痛や食欲不振、だるさなどの体調不良を招きます。自律神経の中枢である脳にへの血流も悪くなり、自律神経が乱れる原因になります。
自律神経は内臓の働きもコントロールしていることから、自律神経に乱れが起こると胃腸の働きが低下します。また、体の水分が不足すると胃酸の分泌が減少し胃腸の働きが弱まります。この時期は冷たいものを飲んだり食べたりすることが多くなりがちですが、胃腸が冷えると胃腸の働きが悪くなり、食欲不振や下痢、便秘などの消化不良を引き起こします。
日中の気温が上昇して32℃を超えるようになると夜に気温があまり下がらず、25℃以上の熱帯夜になります。このような暑さの影響で寝つきが悪くなったり夜中に目が覚めてしまったり、睡眠不足に陥りやすくなります。睡眠不足になると自律神経の働きに乱れが起こり、疲れが取れなかったり夏バテの症状が出るようになります。
水分補給が適切に行われないと夏バテの症状を引き起こしやすくなりますので、こまめに水分を補給するように心がけましょう。熱中症予防のために適切な塩分も取り入れると良いでしょう。
自律神経の乱れを整えるためには十分な睡眠が欠かせません。毎日7~8時間程度の睡眠時間を確保するように心がけましょう。寝入ってからの3時間は体を修復してくれる成長ホルモンの分泌が高まるため、睡眠の質を良くすることが大切です。寝初めにエアコンを上手に活用して熟睡できるようにしましょう。
エアコンが効いている室内に長くいると気づかないうちに体を冷やしていることがあります。湯船につかると体がしっかりと温まるため、血行が良くなり、体の筋肉がほぐれます。体の筋肉がほぐれると、副交感神経が優位になり、自律神経の乱れの改善につながります。また、副交感神経が優位になることが、リラックスにつながり、ぐっすりと眠れるようになります。
気温が高くなると汗をかきますが、汗をかきっぱなしにしてしまうと汗が汗管に詰まって皮膚の中に溜まり炎症を起こします。この発疹のことを一般的にあせもと呼び、正式には汗疹(かんしん)といいます。
あせもは赤ちゃんや子供がなるイメージですが、近年は猛暑により汗を大量にかくことが増え、大人にもあせもができやすくなっているようです。
特に髪の毛の長い人は首元や胸元に汗が溜まりやすくなります。
下着が密着し蒸れやすくなります。
リックサックやショルダーバッグの肩掛け部分は蒸れやすくなります。
膝の裏や肘などの関節付近や肥満でお腹の皮膚が重なっている場所は汗が溜まりやすくなります。
汗をかいてそのまま放置しておくことが、あせもの一番の原因です。肌を清潔に保つためにも、汗はこまめに拭き取るようにしましょう。乾いたタオルよりも清潔な濡れタオルで優しく拭き取るようにするのがおすすめです。
汗をかくことが予想される場合は通気性や速乾性の良い服を選んだり、着替えを用意することも大切です。
汗を流すためにシャワーを使用する際には優しく洗うようにしましょう。熱いお湯で流したり、ゴシゴシ洗ったり、洗浄力の強い石鹸類で洗うと皮膚が乾燥してバリア機能を弱め、炎症を起こしやすくなりますので注意してください。
エアコンを使用して室内の温度を管理し、汗のかきっぱなしにならないようにしましょう。
8月の天候や気圧変化の特徴と頭痛などの体調へ影響するポイントを理解して、体調管理を行うようにしてください。
【参考文献】
日本成人病予防協会 健康管理コラム