熱中症◆どんな時起きてどんな症状?子供・高齢者向けの予防と対策

熱中症◆どんな時起きてどんな症状?子供・高齢者向けの予防と対策

熱中症とは?

熱中症とは、気温や湿度が高いなどの気象状況にからだの状態も影響しておこるからだの不調や病気のことです。
体温を平熱に保つために汗をかきますが、体内の水分や塩分が減少したり、血液の流れが滞るなどして体温が通常以上に高温になる場合に起こり、熱中症は死にいたる可能性もある恐ろしい病気です。

温暖化で増加傾向

熱中症で亡くなられた人数は2000年代までは100~200人前後で多い年でも600人くらいでした。近年では温暖化による高温の影響もあって、近年は死亡リスクが高まり年に1500人以上を超える年も出てきました。
地球の温暖化や都市の温暖化(ヒートアイランド)により、21世紀の末頃には、熱中症により搬送される方は約2~5倍に増えるとも言われています。
年次別男女別熱中症死亡数

熱中症が起こりやすい状況

気象の状況

熱中症は気温が高い日に起こりやすくなりますが、気温がそれほど高くない日でも湿度が高い場合に熱中症になる可能性があります。
その他に風が弱い日や日射が強い日にも熱中症のリスクが高くなります。
熱中症を引き起こす条件として暑さ指数(WBGT)が使われる事があり、暑さ指数は、気温、湿度、日射、風からもとに計算されます。暑さ指数が28以上~31未満は激しい運動は原則中止し、31以上は運動自体を中止した方が良いとされています。

・気温が高い
・湿度が高い
・風が弱い
・日射が強い

からだの状態

からだの状態も熱中症に大きく関わっていて、激しい運動をした場合や寝不足や病気にかかっているなど、からだの調子が良くない場合や暑さにからだが慣れていない場合などに熱中症になりやすくなります。

・激しい運動をした
・からだの調子が良くない
・暑さに慣れていない

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熱中症の危険が高い時

真夏の暑さの厳しい猛暑日のような日が最も熱中症の危険が高くなりますが、梅雨の晴れ間や梅雨明けすぐの暑い日にも注意が必要です。
梅雨の晴れ間は気温が真夏ほど高くなくても、湿度が高くかなり蒸し暑くなり、暑さにからだが慣れていない季節ですので、熱中症の危険が高くなります。
梅雨明けの頃は「梅雨明け十日」と言われるように晴れた日が続いて気温が急に上がり、真夏の暑さが続くような場合にも熱中症の危険が高くなります。

・真夏の暑い日、厳しい暑さが続くとき
・梅雨の晴れ間
・梅雨明けで急に暑くなったとき

こんな時にも注意

時間帯別の救急搬送人員

熱中症は気温の上がる12時~15時ごろに最も多く病院に搬送されていますが、夜間にも搬送されるケースがあり注意が必要です。熱中症は真夏の炎天下などはもちろん様々な状況で注意が必要です。

就寝中
温暖化などの影響もあり熱帯夜になる日が増えています。就寝中は汗などでからだの水分が失われ、寝ている間に熱中症になっても気が付かないまま重症化する恐れがありますので注意が必要です。エアコンを適切に使用して、タイマーなどにせず朝までかけておく、寝る前には水分をとることが重要です。

プールや海
暑い日にはプールや海などに入る機会が増えますが、水の中でも熱中症には注意が必要になります。水の中は外に比べて冷たく、口の中に水が入る事があり渇きも感じにくくなります。水の中でも汗はかくので水分が不足しやすくなるので、水分をこまめにとるようにしましょう。屋外では、頭は強い日光にさらされますので、水で冷やしたり、こまめに日陰で休んだりするようにしましょう。

車のなか
炎天下の車内でエンジンを切った場合には、少しの時間でも車内の温度は急激に上がり、30分程度でも40℃を超える事もあり、熱中症の危険が非常に高くなります。
ただ、走行中にエアコンをかけていても熱中症のリスクはあります。エアコンの聞いた車内では、汗をかいてもすぐに乾いて水分の不足に気が付きにくくなったり、渋滞中などはトイレを気にして水分をあまりとらないようにする事や窓から長時間強い日射を浴びる事でもリスクが高くなります。水分をこまめにとるようにして、子どもなどが長時間強い日ざしを浴びていないか、水分は足りているか気に掛ける事が必要になるでしょう。

熱中症の症状

熱中症はその症状や重症度により3つの段階に分けられます。

Ⅰ度:軽症 
通常は現場で対応ができる
・めまいや立ちくらみ
・大量の発汗
・筋肉痛、筋肉の硬直

Ⅱ度:中等症
医療機関での診察が必要
・頭痛、おう吐
・倦怠感、虚脱感
・集中力や判断力の低下

Ⅲ度:重症
入院(場合により集中治療)が必要
・意識障害
・けいれん
・発作

軽症の場合でも症状が改善しない場合や中等症の症状が見られ始めた場合には、すぐに病院に行く必要があります。
重症度を判定するときには、意識がしっかりしているかどうかが重要になります。少しでも意識がおかしい場合には、病院への搬送が必要になり、意識がない場合には、重症と判断するようにしましょう。必ず誰かが付き添って状態を見守ることが重要になります。

熱中症が起こりやすい方

熱中症は全ての人に注意が必要な病気ですが、年齢別にみると高齢の方が特に数としては多くなっています。自分で不調をなかなか伝える事ができない乳幼児や10代はスポーツなどの際に危険性が高くなっているようです。
熱中症死亡数の年齢階級別累積(1968年~2012年)

高齢の方
近年では高齢の方が増加傾向にあるようです。からだに含まれる水分量は年齢とともに減っていくため脱水症状におちいりやすく、年齢とともに汗をかきにくくなり体温を下げる働きも弱くなってしまいます。また、高齢者は暑さやのどの渇きを感じにくくなっているため、自分では気が付かないまま重症化しているケースもあります。

病気など不調を抱える方
持病がある方や風邪などでからだの調子がすぐれない方は、体温を調節する機能が十分に働かず、また服薬されている薬の種類によっては影響する場合もあり、熱中症へのリスクが高くなります。

子ども(乳幼児など)
子どもは体温を調節する機能が十分に発達しておらず、からだの熱を十分に外に逃がすことができず、熱中症になりやすいといわれています。大人よりも体重に対しての体表面積が大きいため、周囲の環境の影響を受けやすくなっています。
また、身長が低いために地面からの照り返しの影響を受けやすく、大人よりもリスクが高くなってしまいます。自分の不調をうまく伝える事ができず、自分で対策をすることもできない場合が多いため、付き添いの人が様子を観察しておくことが重要になります。

子どもの顔が赤く、大量に汗をかいている場合には深部体温が上昇していることが考えられます。すぐに涼しい場所で休み、水分や塩分を補給するようにしてください。

その他
その他では、屋外の暑い状況でのスポーツなどに慣れていない新入生や地面から熱を受けやすい犬などのペットにも注意が必要です。犬などは人間のように汗をかいてからだの熱を外に逃がす能力が低くなっているため、熱中症のリスクが高くなってしまいます。

熱中症になりやすい人(性格)は、頭痛ーる公式Tiktokで動画を公開していますので、ぜひコチラもご覧ください。
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熱中症の予防

暑さをさける
気温や湿度が高い場合には、外出を控えたり、スポーツなどを行わないようにする事が重要で、外出する場合でも日傘や帽子をかぶるなどして直射日光を受けないようにしましょう。
天気予報などで気温を参考にしたり、暑さ指数(WBGT)をもとに、環境省・気象庁から熱中症警戒アラートが発表される事がありますので、発表された場合には特に気を付けましょう。

水分をこまめにとる
水分をこまめにとる事が重要で、のどが乾いていない場合でも1時間ごとに飲むなど計画的に行う事が大切です。水分補給とあわせて塩分の補給もおこなうようにしましょう。アルコールなどは利尿作用が働くため、からだが脱水症状になってしまう場合がありますので、アルコールを飲む事では水分補給ができない事を認識しましょう。

体調を整える
睡眠を十分にとり、バランスの良い食事をとったり、普段から運動を行うなどからだの調節機能が十分に働くようにしましょう。体調が良くない場合には、暑い日の外出を控えたりした方がよさそうです。

暑さに適した服装
吸水性や通気性がよく、襟ぐちや袖ぐちが十分に空いたゆったりした服装が熱がこもらず、熱を外に逃がしやすくなります。帽子をかぶるなどして強い日ざしをさけ、黒い服は白い服にくらべて日光の影響で温度が上がりやすくなるので、服の色にも気を付けた方がよいかもしれません。

マスク
屋外などで距離が十分な場合など暑い時には特にマスクを外すとともに、マスクをしたまま運動はしないようにしましょう。

熱中症の応急処置

暑さから逃れましょう
風通しのよい日陰や可能であればクーラーの効いた屋内に避難しましょう。

脱衣と冷却
衣服を緩め、水分と塩分を補給しましょう。意識障害がある場合などに無理に水を飲ませると気管に入ったりする危険がありますので行わないようにしましょう。
肌を濡らしてうちわなどであおいだり、氷や氷のうでわきの下や首、太ももの付け根などを冷やす事も有効です。

症状が重症や中等症の場合や軽傷でも症状が改善しない場合には、病院へ急いで搬送するようにしましょう。

さいごに

近年の地球温暖化や都市の温暖化(ヒートアイランド)により熱中症リスクが高まっていて、症状が重くなると生命へも危険がおよびます。しかし、適切な知識や予防法をしっていれば熱中症から大切な人や大事な家族を守る事もできます。

また頭痛ーるコラムでは低気圧、気圧の変化による頭痛、体調不良の予防・対処法もご紹介しています。

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この記事の監修者
宮本 大平
宮本 大平
気象予報士を取得し十数年にわたり予報業務や「お天気.com」の運営などに従事。ウィンタースポーツが好きな二児の父。

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