気象病を防ぐ方法

初夏の本格UVケア

初夏の本格UVケア

紫外線が一番強まるのはいつ?

新緑の季節を迎え、太陽の力も増してきています。ひどい日焼けをして、ヒリヒリと痛くなった経験はないでしょうか。日焼けとは、紫外線によって皮膚が刺激を受けて起こる火傷(ヤケド)の一種で、肌には健康とはいえません。
屋外で過ごす機会の多い18歳までに生涯で浴びる量のおよそ半分を浴びてしまうので、子供の頃から紫外線と上手に付合うことが大切です。かつては日焼けした肌が健康のシンボルとされた時代もありましたが、紫外線の浴びすぎは体に良くありません。シミやシワなど肌の影響、紫外線角膜炎や白内障などの眼の影響に加えて、高齢化に伴い、紫外線を長年浴びることで皮膚ガンのリスクも高まります。さらに紫外線を多量に浴びると体に活性酸素が溜まり、風邪を引きやすくなったり、免疫力が低下する原因にもなるのです。

紫外線は、太陽が高いところから照り付ける時に最も強くなります。一日の中では太陽が一番高い南中時刻の正午ごろ。一年の中では、紫外線をブロックする大気のオゾン濃度が一定の場合、6月下旬の夏至の頃に最も強くなりますが、オゾン濃度は夏の終わり頃に一番薄くなる年変化をします。このため、オゾン濃度が6月よりも薄い7月に一年の紫外線のピークがやってくる地域が多いです。紫外線の強さ

紫外線の強さ 簡単チェック法

紫外線の強さに関する情報は、気象庁WEBサイトでも世界標準指標でもあるUVインデックスによる紫外線予報で確認することができます。頭痛―るアプリの紫外線指数も、このUVインデックスに基づいた予報となっていますので、ぜひご活用ください。

頭痛ーるの紫外線指数

目に見えない紫外線の強さは、このようなアプリやWEBを見なくても、簡単に把握できる方法があります。日向に立った際に出来る自分の影の長さに注目して下さい。太陽が真上から降り注ぐほど紫外線は強いため、影の長さが自分の背と同じか短かい時は、UVケアが必要な強さのレベルです。特に自分の背の半分以下の短い影が濃く浮かび上がった時は、かなり紫外線が強いサインです。影の長さでわかる紫外線の強さ

時間帯と天気で変わる紫外線の強さ

10時~14時までの時間に1日の総紫外線量の約60%を占めるため、太陽高度が低い朝夕を有効活用し、昼前後は出来るだけ日陰で過ごすという生活スタイルがおすすめです。特に朝の太陽光には、気分を高めたり、体内時計を整える効果があるため、心の安定や夜の安眠につながります。紫外線が弱く、比較的涼しい朝のお散歩は、自律神経を整え、頭痛予防にもピッタリです。

曇っていると外の明るさは、快晴の時の30%程度まで暗くなっていきます。ところが、紫外線の強さは、快晴を100とした時に、曇りでは60%前後の紫外線が雲を通過して届きます。薄曇りだと80~90%の紫外線が降り注ぐため、雲が広がっていても油断は禁物です。

あなたの日焼けタイプは?

日焼け直後と数日後の肌への現れ方によって、一般的には、日本人は図のように3つの日焼けタイプに分けられます。
タイプⅠ.日焼け直後は赤くなり、数日後は黒くなりにくいタイプ。
タイプⅡ.日焼け直後はそこそこ赤くなり、数日後はそこそこ黒くなるタイプ。
タイプⅢ.日焼け直後に赤くなりにくく、数日後に黒くなりやすいタイプ。肌タイプをチェックしてUVケアこの中ですぐに赤くなりやすい肌タイプの方が一番紫外線に敏感で、日頃からしっかりと対策が必要になります。
夏に向けて、肌が日焼けして黒くなっていくのは、人間の紫外線に対する防御反応の一つです。肌が黒くなる(褐色になる)変化は、メラニン色素が肌に作られて、次に強い紫外線を浴びた時にDNAへのダメージを少なくするバリア機能が働いたということです。メラニンが多い人ほど肌の色は黒くなりやすく、紫外線に対して抵抗力がある一方、日焼けしてもあまり褐色にならない人はメラニンの量が少なく、紫外線のダメージを受けやすいタイプです。
また、女性より男性の方が紫外線によるダメージを受けやすいというデータもあり、美容面だけではなく、男性や子供も含めた家族みんなでの紫外線対策が大切です。

UVケアのポイント

紫外線から体を守るポイントは、次の4つがおすすめです。
① 日陰や日傘を利用
② 帽子の着用
③ 日焼け止めの利用
④ 日頃の食事からのケア
帽子は、キャップよりもハットタイプの方が、顔だけでなく首回りのUVカット効果が期待できます。つばの長さが7㎝ほどの帽子で顔正面にあたる紫外線量を60%以上カットする効果があります。また、帽子の着用で眼にあたる紫外線量を約20%カットし、さらにUVカット機能付きサングラス・メガネ・コンタクトの着用で眼に入る紫外線の約90%をカットすることができます。帽子のケアポイントをピックアップ日焼け止めは、SPFやPAなどの数値を生活シーンに合わせて選び、肌に必要以上の負担をかけずにしっかりケアしましょう。また、服でカバーできない部分には、たっぷり塗るのがコツです。

体の内側からの紫外線対策として、UVケアビタミントリオと呼ばれるビタミンC、ビタミンE、βカロテンを含む食材を日頃の食事に取り入れ、バランスよく食べることが大切です。特に夏野菜にはこれらのビタミンがたっぷりと含まれるため、旬の食材を食べていくことがUVケアにも繋がっていきます。

太陽と仲良く! 紫外線と頭痛のWケア

片頭痛の症状のある方は、まぶしい強い光で頭痛の症状が悪化する恐れがあるため、帽子や日陰を利用したり、眼に入る光を抑えるため、サングラスを着用するなど、紫外線と頭痛のダブルケアを行うと良いでしょう。
悪いイメージのある紫外線ですが、骨の成長に必要なビタミンDを合成する手助けや、洗濯や布団干しの殺菌等にも役立っています。お日様と上手に付き合うコツをつかんで、楽しく健康的に紫外線の強いシーズンを過ごしましょう。

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この記事の監修者
森山 知洋
森山 知洋
気象予報士/健康気象アドバイザー/防災士/北海道防災教育アドバイザー

20年以上の気象予報士歴の中で放送局の気象キャスターなど様々な業務を経験。健康気象講座や防災講演の講師を務めるなど健康気象や防災のスペシャリストとしても幅広く活動中。
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