気象病の基礎知識

1月の天候や気圧変化の特徴~一年で寒さが最も厳しくなる時期~

目次


1月の天候の特徴
1月前半と後半からみる天候の特徴
小寒(1月6日頃~1月19日頃)
大寒(1月20日頃~2月3日頃)
1月の気圧変化の傾向

▼1月に現れやすい気象病はこちら▼

1月の気象病~乾燥による肌の悪化と気温差による心筋梗塞に注意~

1月の天候の特徴

1月の天候には下記の特徴があります。

日本海側での周期的な大雪

シベリア方面から強い寒気が日本の上空に流れ込むと日本付近は冬型の気圧配置が強まります。天気図では日本列島にかかっている等圧線の本数が増えて、等圧線と等圧線の間隔が狭くなります。
強い寒気が北西の季節風によって日本海の上空に進むと雲が発達して日本海側で大雪をもたらします。寒気が日本付近に流れ込みやすい年は強い寒気が周期的に流れ込むことが多く、周期的に大雪となる日が現れます。また、北西風が強く吹き北海道や東北では暴風雪になる場合もあります。

太平洋側での乾燥した寒い晴天

寒気が日本列島に流れ込むと冬型の気圧配置が続きやすくなります。冬型の気圧配置になると日本海側は雪が降りますが、雪を降らせた雲は山脈を超える際に消滅して、太平洋側では寒い晴天となります。また、山脈を超えた空気は乾燥しているため、寒くて乾燥した晴天となります。特に関東南部の1月は乾燥した晴天が続きやすくなります。

寒さが最も厳しくなる時期

平年の気温は1月初めから少しずつ低下し下旬から2月初めにかけてが1年で最も寒い時期です。強い寒気が流れ込むと冷え込みが強まり、晴れても日中の気温があまり上がらなくなります。
強い寒気の中心が通り過ぎ、寒気が弱まるまで気温の低い状態が続きます。

1月前半と後半からみる天候の特徴

小寒(1月5日頃~1月19日頃)

小寒(しょうかん)の期間は最も寒い寒(かん)の前半で、小寒は寒の入りの日です。立春までの約30日間が寒で寒の内(かんのうち)や寒中(かんちゅう)ともいいます。
シベリア方面から日本付近の上空に寒気が流れ込むと、日本付近は冬型の気圧配置が強まります。寒気の影響で日本海側で雪が降り、寒気が強い時や寒気が続く時は大雪となります。寒気が通り過ぎたり、寒気が弱まると冬型の気圧配置がゆるみます。このタイミングで気圧の谷が接近すると日本の南海上に低気圧が発生して東進し、進むコースや上空の寒気の状況によっては太平洋側に雪を降らせることもあります。
強い冬型の気圧配置が続く時は気圧の変動は小さくなりますが、冬型の気圧配置がゆるみ気圧の谷が日本付近を通過する際は気圧が低下し、気象病が起こりやすくなります。特に強い寒気が流れ込むと低気圧が発達し、気圧が大きく変化しますので気象病の発生に十分注意する必要があります。
冬型の気圧配置がゆるみ始めた時は、気圧が低下するタイミングに注意するようにして、気圧の低下が予想される際は体調を整えるようにしてください。

大寒(1月20日頃~2月3日頃)

大寒(だいかん)は一年で最も寒い頃で、寒の内の後半です。
小寒と同様にシベリア方面から日本付近の上空に強い寒気が流れ込むと冬型の気圧配置が強まって日本海側で大雪が降り、大雪による被害が発生することもあります。一方、関東など太平洋側では乾燥した寒い晴天が多くなります。
寒気が流れ込んだ状態が続くと厳しい寒さが続き、外出する際は寒さによる体への負担が特に大きくなりますので十分な防寒対策が必要です。
小寒と同様に寒気の流入が弱まると冬型の気圧配置がゆるみ、このタイミングで東シナ海で低気圧が発生することがあります。この低気圧が日本の南海上を東進する際に上空に寒気が流れ込むと太平洋側で大雪をもたらすことがあります。太平洋側の大雪は日本海側の大雪に比べて雪の量は少ないものの、雪に不慣れなため、交通機関への影響が大きくなります。
低気圧が通過する際は気圧が大きく低下し、気象病が起こりやすくなりますので注意が必要です。

1月の気圧変化の傾向

下記の図は東京の2019年~2022年の12月の気圧の状況です。赤マークが気圧の変動が大きく特に注意が必要で、次いで黄色、黄緑です。また、紫色は気圧の上昇で注意が必要です。水色は体調への影響が小さかった日を示しています。
気圧の傾向は年による違いが見られました。

2019年1月の気圧の傾向

低気圧が周期的に通過して気圧が低下し、低気圧の通過後に冬型の気圧配置となって気圧が上昇し、気圧の変動が大きく、気象病の起こりやすい日が続きました。気圧の比較的安定した日はほとんどありませんでした。

2020年1月の気圧の傾向

比較的気圧の変動が小さい日が周期的に現れましたが、冬型の気圧配置が現れても一時的で、太平洋側で乾燥した晴天が続かない状態となりました。日本付近を短い周期で通過する低気圧の影響で周期的に気圧が低下し、気象病が起こりやすい日が周期的に現れました。

2021年1月の気圧の傾向

冬型の気圧配置が長くは続かず、低気圧が周期的に通過し気圧の低下した日が多く、また低気圧の通過後に気圧の上昇が続いた日が多くなりました。気圧の変動の多い日が続き、気象病の起こりやすい日が多くなりました。

2022年1月の気圧の傾向

冬型の気圧配置となり気圧が上昇する日と低気圧の通過で気圧が低下する日が周期的に交互に現れ、気圧が比較的安定した日はありませんでした。このため、気圧の低下と上昇の変動が大きく、気象病の起こりやすい日が多くなりました。

1月も気象病に注意しましょう

低気圧が周期的に通過し、気圧が大きく低下して気象病の起こりやすい日が多く現れた年が多くなりました。
頭痛ーるで日々の気圧変化の予想を確認し、頭痛などの気象病の体調管理を行うようにしてくださいね。

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この記事の監修者
飯山 隆茂
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士

気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
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