気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
9月の天候には下記の特徴があります。
東京の9月1日の平年の最高気温は30.0℃で真夏日で夏が続きますが、9月30日の最高気温は24.7℃と過ごしやすい陽気で、最低気温は17.6℃で長袖でも肌寒く感じられ、朝と日中では服装で調整が必要になります。また、安定した天気が続かず、日々の気温も大きく変わることが多いことから体への負担が大きくなり体調を崩しやすくなりますので注意が必要です。
9月は8月に続いて台風の発生数が多く、平年の発生数は4.8個、接近数は2.9個、上陸数は0.8個となっています。過去10年間での9月の平均接近数は3.5個、上陸数は1.3個で、近年は接近数・上陸数ともに増えています。2022年は接近数が6個で過去30年で最多となりました。
9月以降に日本付近に接近する台風を秋台風と呼びます。太平洋高気圧が次第に勢力を弱め、南方海上に発生した台風が太平洋高気圧のふちを時計回りで放物線を描くように日本列島に接近し、その後東よりに向きを変えると速度が増して足早に通過する台風が多いのが特徴です。
また、9月に上陸する台風は勢力が強いことが多く、災害をもたらすことが多いのも特徴です。
このため、台風が発生したら台風の進路予想を確認し、いつ頃に台風の影響を受ける恐れがあるのかを都度確認するようにしてください。
9月半ばを過ぎると日本の南海上の太平洋高気圧の勢力が弱まり、湿った空気が日本付近に流れ込みやすくなり日本列島に前線が現れて停滞しやすくなります。また、上空に寒気が流れ込むと前線活動が活発になり、各地で大雨をもたらすことがあります。
梅雨時と同じような天気が続くため、体調のすぐれない状態が続くこともありますので十分ご注意ください。
雲のない夜に大気が冷えると、空気中の水分が草花や木に朝露として現れ始めるようになります。朝の光によって白く輝く露になることから白露と名付けられました。
朝晩に気温が下がると秋の気配が感じられるようになります。
9月のこの時期は台風が接近しない場合、高気圧に覆われやすいものの、周期的に低気圧が通過して気圧が低下することから、体調へ影響する日があるでしょう。
秋分は昼と夜の長さが同じになる日です。お彼岸は秋分の前後7日間で、秋分の3日前が「彼岸の入り」、3日後が「彼岸明け」となります。
暑さ寒さも彼岸までと言われるように、最高気温は次第に25℃を下回るようになります。
晴れる日もありますが、秋雨前線と呼ばれる前線が停滞して長雨が現れます。秋雨前線の活動が活発になると災害をもたす大雨が降ることがあります。
本州の南海上で秋雨前線が停滞している時は、大きな気圧の低下はあまりなく、体調への影響は小さいものの、日差しが少なく雨が降りやすい影響で体調を崩すことがあります。秋雨前線が現れた場合は、体調を整えるように心がけましょう。
下記の図は東京の2020年~2023年の9月の気圧の状況です。赤マークは気圧の変動が大きく特に注意が必要で、次いで黄色、黄緑です。また、紫色は気圧の上昇で注意が必要です。水色は体調への影響が小さかった日を示しています。
気圧の傾向は年による違いが見られました。
前半は湿った空気や九州に接近した台風の影響で雨の降った日が多くなりましたが、気圧の大きく低下した日は少なくなりました。後半は秋雨前線が停滞し曇りや雨の日が続き台風の接近や低気圧の通過で気圧が大きく低下する日があり、気象病が起こりやすい日が多くなりました。
上旬は気圧の変化の小さい日が続きましたが、秋雨前線が本州付近に停滞し雨の日が続きました。中旬は秋雨前線上を東進する低気圧や台風から変わった低気圧の影響で雨の降る日が多く、気圧の変動もあって気象病が起こりやすい日が多くなりました。下旬は晴れて気圧変動が比較的小さい日もありましたが、周期的に気圧が低下し、気象病が起こりやすい日が現れました。
上旬と中旬は気圧が大きく低下した日は少なかったものの、湿った空気の影響で雨の降る日が多く、気象病が起こりやすい日が多くなりました。下旬は台風の上陸や接近により気圧が大きく、周期的に気象病が起こりやすい日が現れました。
上旬は気圧の低下の小さい日が多かったものの、周期的に雨が降り、台風の接近で一時
気圧が大きく低下しました。中旬は高気圧に覆われて気圧が大きく低下した日はなく、気象病の起こりやすい日は見られませんでした。下旬は周期的に低気圧が通過し、気圧の変動の大きい日が続き、気象病が起こりやすい日が多くなりました。
9月の天候や気圧変化の特徴と頭痛などの体調へ影響するポイントを理解して、頭痛ーるで日々の気圧変化の予想を確認し、頭痛などの気象病の体調管理を行うようにしてください。