低気圧や高気圧など日々変動しながら天気に大きく影響する気圧ですが、台風や爆弾低気圧の時には急激に低下します。気圧は日本ではどれくらいまで下がった事があるのでしょうか。日本周辺の平均気圧は約1013hPaですが、最低気圧の記録は950hPaくらい?それとも900hPa、850hPa?どれくらいまで気圧が下がった事があるのか調べてみたいと思います。
気圧を観測していて記録の残っている約150の気象台、測候所で観測された気圧のうち、最も低かった結果は以下のようになっていました。
◆日本国内の最低気圧のランキング
観測された場所 | 気圧(hPa) | 年月 | |
---|---|---|---|
1 | 沖永良部 (鹿児島県) | 907.3 | 1977/9/9 |
2 | 宮古島 (沖縄県) | 908.1 | 1959/9/15 |
3 | 室戸岬 (高知県) | 911.6 | 1934/9/21 |
4 | 宮古島 (沖縄県) | 912.0 | 2003/9/11 |
5 | 枕崎 (鹿児島県) | 916.1 | 1945/9/17 |
6 | 名瀬 (沖縄県) | 918.0 | 1961/9/15 |
7 | 鹿児島 (鹿児島県) | 922.6 | 1945/9/17 |
8 | 石垣島 (沖縄県) | 923.5 | 1963/9/10 |
9 | 西表島 (沖縄県) | 923.8 | 2006/9/16 |
10 | 名護 (沖縄県) | 924.4 | 2004/9/5 |
※気象庁掲載の気象台、測候所の観測史上1~10位より(2021年1月現在)
気圧の低い記録は九州や四国の地点もありますが、沖縄や奄美など南西諸島の地点が多くなっています。
日本国内で観測された気圧のうち、最も低かったのは鹿児島県奄美諸島の沖永良部の907.3hPaでした。
観測されたのは1977年9月9日で『沖永良部台風』の通過に伴うものでした。この台風により沖永良部では、最大風速39.4 m/s(最大瞬間風速60.4 m/s)を観測し、島の半数の住家が全半壊するなど大きな被害が出ました。
国内で2番目に低い気圧を記録したのは、1959年9月15日に沖縄県の宮古島で観測された908.1hPaで「宮古島台風」の通過に伴うものでした。宮古島では最大瞬間風速64.8m/sを記録し、約16,000棟の家屋が損壊するなど大きな被害が出ました。
3番目に低い気圧を記録したのは、1934年9月21日に高知県の室戸岬で観測された911.6hPaで「室戸台風」の上陸に伴うものでした。気象庁の統計開始前のため参考記録になりますが、上陸時の気圧が最も低かった台風になります。
4番目~10番目に低い気圧を記録した時の要因を調べましたが、何れも台風によるものでした。
日本国内での最低気圧の記録は南西諸島や西日本太平洋側で観測されたものですが、主要都市での最低気圧はどれくらいでしょうか。東京での最低気圧は1917年10月1日に観測された952.7hPa、大阪では1961年9月16日に観測された937hPa、札幌では1934年3月21日に観測された961.1hPaとなっています。
海上も含め世界で観測された最低気圧は、1979年10月12日に観測された870hPaです。アメリカ軍の気象観測機が日本のはるか南の海上(フィリピンの西方海上)で台風20号を観測した際の記録となっています。
この1979年台風20号は猛烈な台風から非常に強い台風にやや勢力を落としながらも、和歌山県に上陸した後に列島を縦断し、各地に大きな被害をもたらしました。
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