気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
関節リウマチとは、免疫異常によって関節が炎症し、関節に痛みや腫れなどが生じる病です。
関節リウマチの痛みは気温や湿度、気圧、日照時間などの気象と関連があるとされ、暖かく晴れた日には症状が軽く、天気が崩れだす前や雨の日に痛みが強くなります。東京医科大学病院などの研究グループによる調査では、春、冬、夏、秋の順で痛みの症状が強まることが確認されました。
春は短い周期で高気圧と低気圧が交互に入れ替わることが痛みに影響します。気圧が急激に低下すると、身体の中では外部刺激があった際に分泌されるヒスタミンが分泌され、身体が気圧変化を外部刺激と捉えているのではないかと考えられています。
ヒスタミンによって交感神経が刺激されると血管が収縮してしまって血行が悪くなり、関節リウマチの痛みが出やすくなります。また、ヒスタミンが交感神経を刺激することで、痛みそのものを感じやすくなります。
春は「よく眠れる」という人と「眠れない」と睡眠の不調を抱える人もいます。
「よく眠れる」のは、昼間の時間が増え、暖かい陽気となるため、日中の活動量が自然と増えて、生活にメリハリがついて眠りやすくなるためです。また、浅い睡眠が減り、深く眠ることができるようになります。
一方、「眠れない」のは、いくつかの原因が考えられます。
春は寒い日が続いたと思ったら急に暖かくなったり、暖かい日が続いていたら急に寒くなる寒の戻りがあったり、気温の寒暖差が大きくなります。この寒暖差により自律神経のバランスが乱れやすくなり、睡眠の質の低下に影響を及ぼし、昼間の眠気につながります。
進学や入社、転勤、異動やそれに伴う転居など、社会的な環境変化が多く、ストレスを感じる機会が増えます。環境の変化に対応するために交感神経が優位な状態が増えてしまうことで、睡眠の質が低下しやすくなります。
春のファッションは冬に比べて薄着になりがちです。身体が冷えてしまっている状態が続くと、就寝前の手足からの放熱が行われにくくなり、睡眠の質の低下につながります。
自律神経の乱れの解消方法はこちらでより詳しくご紹介しています。
【参考文献】
日本成人病予防協会 予防医学学術刊行物145号 気象と健康~春の健康~
メディカルトリビューン あなたの健康百科 関節リウマチ患者は春の気候変化に気をつけて