頭痛を引き起こす要因と体調管理


頭痛ーる担当の気象予報士・健康管理士の飯山です。
頭痛ーるを利用していただいている方から、「頭痛ーるのアラートと痛みが合わないときがあるけど、どうして?」とご指摘をいただくことがあります。

頭痛ーるは気圧を中心とした気圧変化に伴って発生する頭痛等の痛みの起こりやすさを予報していますが、気象変化以外にも頭痛を引き起こすさまざまな要因があるのです。

 頭痛を引き起こす要因とその比率

日本頭痛学会は片頭痛を誘発する要因(因子)について精神的因子、内因性因子、環境因子、食事性因子に分けてまとめています。

分類 要因
精神的因子 ストレス、精神的緊張、疲れ、睡眠不足
内因性因子 月経周期
環境因子 天候の変化、温度差、頻回の旅行、臭い
食事性因子 空腹、アルコール

また、アメリカでの調査によると、片頭痛患者の約80%がストレスが頭痛の要因となり、続いて女性ホルモンが約65%、空腹が約57%、天気が約53%、睡眠障害が約50%という報告があります。

気象変化が頭痛の要因となる割合は個人差がありますが、気象変化以外の要因にも注意する必要があります。

気象以外の要因としてストレスの比率がかなり高くなっていますので、頭痛ーるでアラートが出ていない時に頭痛がしている場合は、ストレスを感じることがなかったか、寝不足になっていないか、疲労が出ていないかなど、誘発因子に該当する事項がなかったか思い浮かべてみてください。

もし該当する事項があれば、頭痛の発生に影響している可能性があります。
続いて、各要因についてみていきましょう。

頭痛を引き起こす要因(月経周期)

月経周期は頭痛の誘発因子で、女性ホルモンのエストロゲンが片頭痛に関連していると考えられています。

エストロゲンの分泌量は月経周期に伴って大きく変化し、排卵日と月経前に急激に低下します。この急激な低下が片頭痛を引き起こすのではないかと考えられています。

月経の際に頭痛が起こることが多いか記録を付けて確認することをお勧めします。

頭痛を引き起こす要因(空腹と血糖値)

血糖値は血液中のブドウ糖の濃度のことで、私たちの体には血糖値を正常に保とうとする機能が備わっています。このため、血糖値が高すぎても低すぎても体に影響があります。

空腹は血糖値が下がっている状態で、血糖値が下がると、血糖値を上昇させるホルモンが分泌されます。このホルモンは同時に心拍数の上昇や脳の覚醒といった作用があるため、脳の血管が過度の収縮が片頭痛の原因になると考えられています。

ダイエットのためなどで朝食を食べずに出かけて頭痛が発生することがありますので、空腹は避けるようにしてください。

頭痛を引き起こす要因(ストレス)

アメリカの調査でストレスが片頭痛の最も高い誘発因子であると報告されています。
ストレスの状態を引き起こすものをストレッサーといい、次のように分類されます。

分類 要因
物理的ストレッサー 寒暖の変化、騒音、高低温による刺激など
社会的ストレッサー 経済情勢の変化、人間関係など
心理的・情緒的ストレッサー 緊張、不安、悩み、焦り、寂しさ、怒り、憎しみなど
生理的・身体的ストレッサー 疲労、不眠、健康障害といった生理的、身体的状況の変化など

ストレッサーとして上げられている心理的・情緒的ストレッサーの緊張や生理的・身体的ストレッサーの疲労、物理的ストレッサーの寒暖の変化は片頭痛の誘発因子になっています。つまり、緊張や疲労、寒暖の変化はストレスの原因となり、頭痛の要因にもなっています。

私たちの体は、体の働きを調節する「自律神経」とホルモンの分泌をつかさどる「内分泌」、外部から侵入する異物からを守る「免疫」の3つの働きがバランスを保ち、自らの体を環境に適応させ健康を維持しています。

しかし、ストレッサーが長期にわたって加わり続けると、自律神経のうち交感神経に負担がかかり、内分泌のストレスに対する防御が限界を超え、免疫の働きが弱まり、体に不調が全身に現れるようになります。

自律神経の働きとストレス

自律神経は自らの意思とは無関係に生命を維持するためのさまざまな働きを制御する役割を持ち、例えば、呼吸や血圧、体温、発汗などは自律神経が調節しています。

自律神経にはストレッサーに反応して身体機能を働かせる命令を出す交感神経と、身体機能を元の状態に戻そうとする副交感神経があります。

緊張状態にある時は、交感神経の命令により、心拍数が増加し、血管が収縮して血圧が上昇し、脳血管が拡張するなどの反応が現れ、体を活発な状態を保つように働きます。

ストレスのコントロール

頭痛の誘発因子となっているストレス状態で交感神経が働いている状況が長時間続かないようにコントロールして、ストレスの解消を心がけることが、頭痛の発生を防ぐことにつながります。

ストレスにより心が緊張している時は、体も緊張していますので、心と体をリラックスさせるのが効果的です。リラックスしている時は、副交感神経が主に働いている状態で、心拍数は低下し、血管は拡張して血圧は低下し、身体機能は穏やかな状態に戻ります。

ストレス解消法

①十分な睡眠
心身の疲れの回復やストレスを翌日に持ち越さないようにするためには、十分な睡眠が不可欠です。十分な睡眠は睡眠時間よりも眠りの深さが重要で、起きたことの爽快感からぐっすり眠れたかどうかが判断できます。

長時間寝ても目覚めが悪ければ、眠りの質としては不十分ということもあります。

ストレスの多い生活をしていると、夜になっても昼間の緊張感や興奮状態が続き、寝付きが悪いことや眠りが浅いことなどで、すっきり目覚めることができなくなります。

睡眠不足は頭痛の要因となっていますが、さまざまな健康障害につながります。
ストレスに耐えるために欠かせないホルモンは朝に最も多く分泌され、夜にかけて少なくなりますので、夜遅くまで起きていることがストレスに弱い体を作り出していることになります。
また、ぐっすり眠れないことにより、疲労回復を促すホルモンが十分に分泌されなくなり、翌日も疲労感を感じるようになります。

眠りにつく時間が不規則になっていると生活のリズムを乱し、睡眠にも影響しますのでなるべく毎日同じ時刻に寝るようにするのが大切です。

②ゆっくりと入浴
入浴は優れた心の疲労回復剤でもあり、次のような効果があります。

・皮膚を清潔にする
・血行をよくして新陳代謝を活発にする
・筋肉のこりや痛みを和らげる
・神経の緊張をほぐしてリラックスさせる

入浴は就寝前に38~40℃のぬるめの湯にゆっくりと浸かれば快適な睡眠も期待できます。

③音楽
音楽には心を鎮めストレスを軽減する効果があり、音楽で心を治療する音楽療法というのもあります。

音楽療法とは脳波の動きを考慮して音楽の波動で脳波の波動を変化させ、気分を変えてリラックスできるようにするものです。

スローテンポな曲は脳波に作用してリラックスさせるのに適しています。最も推奨されているのは「クラシック音楽」ですが、自分の好みの曲を聴いて気分が良くなったり、カラオケで大声で歌って気分転換するのも良いようです。

④腹式呼吸
心の状態は呼吸の仕方に反映され、心身が緊張状態にあると呼吸は浅く短くなります。この原理を利用して、深くゆったりした腹式呼吸を繰り返すことで、以下のような効果があります。

・副交感神経の働きが高まってリラックスすることができ、自律神経のバランスを整える効果がある
・脳内で気持ちを落ち着かせるホルモンの分泌を促す効果がある
・副交感神経が働くことで、リンパ球が活性化されて免疫力が高まる効果がある

⑤食生活
欠食や暴飲暴食、偏食は余計にストレスをかけてしまいます。また、空腹は頭痛の要因となっています。ストレスを和らげる食生活には以下のようなポイントがあります。

・1日3食を規則正しい食習慣を行う
・朝食はできるだけ決まった時間に取る
・夕食は就寝2時間前には済ませる
・よく噛んで食べる
・会話を楽しみながら食べる
・ビタミンとミネラルを積極的に取る
・暴飲暴食をしない

【ストレスに強くなるビタミンやミネラル】

栄養素 主な働き 多く含まれる食品
βカロテン ストレスに対する抵抗力を高める レバー、あんこうきも、うなぎ、緑黄色野菜
ビタミンB1 神経の働きを正常にし、活性化させる 豚肉、うなぎ、大豆、玄米、そばなど
ビタミンC 体の抵抗力をつけ、心身の安定をはかる、ストレスで減少しやすい 果物、野菜、いも類など
カルシウム 「天然の精神安定剤」と言われ、不足すると不眠やイライラを招く 乳製品、煮干し、干しえび、小松菜、水菜など
カリウム 神経過敏を抑える 野菜、果物、いも類など
マグネシウム 気持ちを鎮静化し、イライラや神経過敏、不安を抑える 豆類、種実類、穀類、海藻類など


⑥運動

体を動かすことで全身の血液循環が良くなり、脳内の血液の流れも良くなります。運動は頭をすっきりさせて良い気分転換になり、情緒の安定に大きな効果があります。また、運動は生活習慣病の予防にも効果があります。

適度な運動は心身ともに健康でいるために必要不可欠です。散歩やサイクリングなど軽く汗を流すことを生活の一部にすると長続きできます。

毎日ではなくてもなるべく体を動かすことが健康管理につながりますので、体を動かすことを心がけてください。

おわりに

頭痛等の痛みが発生した際に、ストレスや寝不足、疲労、生理などの体の状態に関することも併せて記録することで、気象変化以外についての関係を探ることができると思います。

また、日々の生活スタイルを見直すことが頭痛の発生を抑えることにつながると思いますので、体調管理を行っていただければと思います。

(健康管理士・気象予報士 飯山)


参考文献
日本頭痛学会 慢性頭痛の診療ガイドライン2013 Ⅱ片頭痛
日本医協学院 健康管理士テキスト 心の健康管理
Kelman I The triggers or precipitants of the acute migraine attack. Cephalalgia 2007

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