20年以上の気象予報士歴の中で放送局の気象キャスターなど様々な業務を経験。健康気象講座や防災講演の講師を務めるなど健康気象や防災のスペシャリストとしても幅広く活動中。
春に注意が必要な、頭文字がアルファベットの「K」で始まるものが5つあります。乾燥、花粉、強風、寒暖差、黄砂、この5つが「春の5K」です。春の5Kに、気圧のアップダウンの影響が合わさることで、頭痛など体調が悪化することもありますので、気を付けましょう!
心地よい青空が広がった日は『空気の乾燥』に要注意。4月から5月は一年の中で一番低い湿度が出現しやすく、30%を下回る日も珍しくありません。2005年4月には、岐阜県高山市で日本国内の観測史上最も低い湿度である0%を記録したことがあります。このように極めて低い湿度になる時は、山を吹き降りた風が乾いた熱風となるフェーン現象が発生する場合が多く、体調不良や火災の原因になることもあります。
人間の健康に快適な湿度環境は50%前後です。40%を下回ると、喉などの粘膜のバリア機能が低下しやすくなり、体の様々な部分に強い乾燥を感じる人が増加する傾向があります。喉やお肌だけでなく、眼、髪の毛、指先なども保湿ケアが必要になります。
詳しい湿度予想と乾燥指数を頭痛ーるアプリの天気予報でご確認ください。
花粉の飛散量は晴れて暖かな日だけでなく、雨の日の翌日や風が強い日にも多くなります。
一日の中では、気温が上がって飛びやすくなる昼前後と、気温が下がって上空の花粉が落ちてくる夕方頃(日没前後)に多く飛散します。気温が上がる前の午前10時頃までは、花粉の飛散は少ない傾向があります。
花粉症予防の3大原則は、①花粉を吸わない、②花粉に触れない、③花粉を持ち込まないの3つです。室内に持ち込まないように服についた花粉をよく払ってから家に入ることや帰宅後は早く洗顔や入浴して、顔や体・髪などに付着した花粉を洗い流すことがおすすめです。
また、ポリエステルなどの化学繊維は比較的付着しにくい傾向があります。花粉が多く飛ぶ日は、表面がツルツルした花粉が付きにくい素材の服装を選ぶのも良いでしょう。花粉指数と詳しいピンポイント天気予報を頭痛ーるアプリでご確認ください。
春は一年の中で風速10m/s以上の強風日数が4月をピークに最も多い季節です。春に風の強い日が多くなるのは、発達した低気圧の通過が多いことと、日ざしの強まりによって、空気の対流が活発になるためです。
風速が5m/s以上になると、しっかりとめておかないと洗濯物が飛ばされる可能性があります。風速10m/sくらいでは、停めている自転車が横倒しになることも。風の強い日は気圧や気温、湿度などのアップダウンが大きく、花粉も飛びやすく、体調管理の要注意日。山越えで乾燥した強風をもたらすフェーン現象が発生すると、頭痛などの不調が起こりやすいので気を付けましょう。
春の晴れた日は、朝はヒンヤリ・日中はポカポカと一日の気温差が大きくなります。また、季節先取りの陽気の後には、冬に逆戻りしたような寒気が入って、急激に寒くなることが大型連休頃まではよくあります。気温差(特に7°C以上)が大きいと、体温を調節する自律神経が過剰に働いてしまい、「寒暖差疲労」が起きて、体調不良の原因になることがあります。まずは医師監修のセルフチェックをお試しください!
寒暖差によって様々な不調の原因になることがあるため、日頃から気温予想をこまめにチェックし、服装の調整や体調管理に注意しましょう。頭痛ーるオリジナルの寒暖差指数やピンポイント気温予想もぜひご活用ください。特に寒冷前線が通過する際には、強い雨が降るとともに、気温が急激に低下、気圧は急激に上昇するため、寒暖差や気圧変化で体調を崩しやすくなるため、要注意です。
黄砂とは、東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により吹き上げられた多量の砂やちりが、上空の風によって運ばれ、大気中に浮遊する現象。日本では4月をピークに春に多く、空が黄色っぽくに煙ることがあります。ぜんそくなど呼吸器系疾患を悪化させることがあり、注意が必要です。
洗濯物の外干しや洗車を控え、濃度が高い時は出来るだけ窓を開けないように。外出時は、マスク着用し、帰宅後は早めに入浴や洗顔をして、黄砂を洗い流しましょう。
お住まいの地域のピンポイントの気温や気圧、湿度や風の予報を確認して、花粉・乾燥・寒暖差などの健康天気指数もご活用ください。