気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。
8月の天候には下記の特徴があります。
南から太平洋高気圧に広く覆われる夏型の気圧配置が続くと全国的に晴れて気温が上昇し、35℃以上の猛暑日が現れるようになります。一度猛暑日になると夜の気温もあまり下がらず熱帯夜となり、朝の気温が高い状況で日中晴れると再び猛暑日となるという状態が続きやすくなります。
北日本方面を通過する気圧の谷に伴って上空に寒気が流れ込むと大気の状態が不安定となり雷が発生することがあります。気温が上昇した午後に山沿いを中心に雷が発生して夕立になりますが、上空に寒気が流れ込むと雷が3日くらい続きやすくなることから、「雷三日」(かみなりみっか)と呼ばれます。雷雨があると3日くらい続く恐れがありますのでご注意ください。
太平洋高気圧に広く覆われている時期に日本付近に接近してくる台風を「夏台風」と呼んでいます。太平洋高気圧が張り出している時期は台風を東に進ませる上空の西風が日本の北を流れているため西風の影響を受けず、太平洋高気圧の縁に沿って大陸方面に進んだり、自力でゆっくり北上したりします。台風が自力で進むような時は進む方向が定まらず向きがころころと変わることがあり、このような台風は「迷走台風」と呼ばれ、予測が難しく十分な注意が必要になります。
立秋(りっしゅう)は暦の上では秋となり、立秋以降の暑さを残暑と呼びますが、10日頃までは最も気温が高い時期にあたり季節としては真夏です。また、前半は高気圧に覆われて晴れて気温が上昇して西日本を中心に猛暑日が現れやすい時期でもあります。
太平洋高気圧に広く覆われる日が多く現れ、気圧変化の小さい日が多くなりますが、太平洋高気圧の勢力が周期的に弱まるタイミングで気圧の谷が通過して北日本を中心に気圧が低下する日がありますので、気圧変化を確認するようにしてください。また、台風が接近して気圧が大きく低下することもありますので、日本の南海上に台風が発生している時は、台風の動きに注意してください。
処暑(しょしょ)は暑さが収まる時期という意味です。日中はまだまだ暑さが続きますが、朝晩は涼しく感じられるようになります。また、後半は日中の気温も暑さがゆるむ日が現れるようになります。
引き続き太平洋高気圧に覆われて晴れて暑い日が多くなりますが、北日本を気圧の谷が周期的に通過して気圧が低下する日がみられるようになります。また、台風が接近することがあり、発達した台風が接近して気圧が大きく低下し体調が悪化したり、大きな被害をもたらすこともあります。台風の進路が定まらないケースもあり、台風が発生している際は、台風の動向に十分警戒してください。
下記の図は東京の2020年~2023年の8月の気圧の状況です。赤マークは気圧の変動が大きく特に注意が必要で、次いで黄色、黄緑です。また、紫色は気圧の上昇で注意が必要です。水色は体調への影響が小さかった日を示しています。
気圧の傾向は年による違いが見られました。
前半は気圧の谷の通過で手記的に気圧が低下する日もありましたが、高気圧に覆われて比較的安定した日が多くなりました。後半は気圧の低下は一時的となり、高気圧に覆われて比較的安定した日が多く、気象病が起こりやすい日は少なくなりました。ただし、猛暑日が10日と多く、熱中症など体に負担がかかりやすい日が多くなりました。
太平洋高気圧の勢力が弱く、台風や前線や湿った空気などの影響で曇りや雨の日が多く、晴れた日が少なくなりました。上旬後半から中旬前半に気圧の変動が大きい時期があり、その他も気圧が安定した日が少なく、気象病が現れやすい日が多くなりました。
前半は気圧の谷の通過や台風の接近で一時的に気圧が低下した日がありましたが、晴れて暑い日が多くなりました。後半は晴れて気圧の変動が小さい日は少なく、湿った空気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすく雨の降った日が多く、気象病になりやすい日が周期的に現れました。
前半は小さい低気圧の接近や九州の西に接近した台風の影響で一時低下したのみで、高気圧圏内で大きな低下はほとんどなく、気象病の発生しやすい日は少なくなりました。後半も気圧の低下は一時的で、高気圧に覆われて気圧変化の小さい日が多く、気象病が現れにくい日が多くなりました。
8月の天候や気圧変化の特徴と頭痛などの体調へ影響するポイントを理解して、頭痛ーるで日々の気圧変化の予想を確認し、頭痛などの気象病の体調管理を行うようにしてください