頭痛ーるが振り返る2020年の天気と気圧~1日の気圧低下が大きかった場所TOP5~

頭痛ーる的に2020年の天気を振り返ってみた
いつも『頭痛ーる』をご利用いただきありがとうございます。
師走を迎え、早いもので2020年も残り数週間。本年も色々なことがあったなと振り返る時期となりましたね。皆さまはどのような1年でしたでしょうか?
さて今回『頭痛ーる』では2020年の気象、特に「気圧変化」がどのようなものだったかを振り返っていきたいと思います。

2020年は珍しく日本列島への台風の上陸がゼロ

2020年は暖冬と記録的な少雪から始まり、4月頃は寒の戻りがあり、梅雨の長雨と西日本での豪雨、8月の猛暑など様々なことがありましたが、一つ特徴を挙げるとすれば「台風が日本列島にひとつも上陸しなかった」ことです。
日本列島には9~10月頃をピークに平均すると毎年3個程度台風が上陸しますが、今年は2008年以来12年ぶりに0となることが濃厚となっています。
台風上陸が0の年は統計を取り始めた1951年以降の70年間で、今年で5回目なので非常に珍しいことと言えます。

ただ上陸した台風が0でも日本に接近した台風は7つありました。そのうち台風9号、10号は相次いで沖縄~九州に接近し、気圧が大きく低下。暴風雨などにより西日本の各地に被害をもたらしました。

2020年 1日の気圧低下が大きかった場所TOP5

  • 1位 長崎県 -37.4hpa 9月6日(1時~7日1時)
  • 2位 北海道 -36.9hpa 3月10日(5時~11日5時)
  • 3位 鹿児島県 -33.0hpa 9月5日(22時~6日22時)
  • 4位 福岡県 -31.3hpa 9月6日(3時~7日3時)
  • 5位 佐賀県 -31.2hpa 9月6日(1時~7日1時)

※24時間で気圧低下が一番大きかった都道府県と時間帯
(2020年1月1日~11月30日 集計)

トップ5のうち4つが九州の県からランクインしました。
日時は全て9月5日深夜~7日未明にかけてのものとなっています。これは台風10号が接近、通過した時間帯です。
台風10号は9月5日~7日にかけて非常に強い沖縄~九州にかなり接近し、大きな被害が出ました。

気圧の激しい下降にあわせ痛みナウもMAXに

頭痛ーる痛みナウ2020年

9月6日~7日 福岡県のみんなの痛みナウ

こちらの画像は台風10号が接近した9月6日~7日の福岡県のみんなの痛みナウです。
折れ線グラフで表現されている気圧が7日3時・4時頃にかけてもの凄い勢いで急降下。その後は急上昇に転じています。
気圧が一番下がっている7日3時・4時頃に台風10号が福岡県に最も接近していました。
また、ユーザーからの痛み報告数の多さがわかる「みんなの痛みナウ」は気圧が急降下している時間帯で画像下の方の縦棒グラフが伸びていて、台風が最接近した時間帯にピークを迎え、縦棒グラフが「みんなの痛みナウ」で表現できる最大値の画像の中央部分まで伸びています。
痛みナウの縦棒グラフが画面中央に届くことは年に何回もあることではありません。台風接近に伴う気圧の急降下によって、多くの方々が天気頭痛などの痛みを発症しました。

痛みナウはこちらの記事で詳しく解説しています。

その他ではトップ5のうち唯一、北海道をみてみましょう。

これは「爆弾低気圧」によるものでした。

台風並みの驚異、爆弾低気圧とは?

爆弾低気圧とは急速に発達する温帯低気圧のことを指します。
真冬の冷たい空気と春の暖かな空気との間で温度差が大きくなる春先の北日本で特に起こりやすく、台風並に気圧が大きく下がることもありますので、注意が必要です。

2北海道付近で低気圧が猛発達した、3月12日9時の天気図

北海道付近で低気圧が猛発達した、3月12日9時の天気図

2020年は様々なことが起こり、気象の世界でも気圧が日々変動していきました。気圧が大きく低下する度に低気圧頭痛や気象病が起こる人が増えますが、「頭痛ーる」をご利用いただくことで、少しでも痛みなどを予防したり楽な気持ちにできたらと思っております。
来年も「頭痛ーる」をどうぞよろしくお願いいたします。

この記事の監修者
田島 正人
田島 正人
気象予報士として「頭痛ーる」や「お天気.com」の運営に従事。
データ分析や気象予報業務などに携わっています。
趣味は野球観戦。
気象予報士だけで結成された劇団「お天気しるべ」の団員としても活動しています。

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