秋台風の特徴と体調への影響について


夏と秋は台風が日本列島に接近・上陸し、大きな被害をもたらします。
2010年以降の秋台風の特徴と夏台風との違いや体調への影響や注意したい事についてお知らせします。

(2019年10月3日公開)

秋台風の接近数と上陸数

2010年以降の傾向

9月と10月に台風が本土にどのくらい接近・上陸しているかをみると、接近数の平均は9月が1.7個で10月が1.3個、上陸数の平均は9月が1.3個で10月が0.3個で、それぞれ9月の方が多くなっています。
秋は例年3個前後の台風が接近し、1~2個の台風が上陸しています。

台風の本土への接近数と上陸数(2010年以降)

9月接近数 9月上陸数 10月接近数 10月上陸数
2018年 2 2 2 0
2017年 1 1 2 1
2016年 3 2 1 0
2015年 2 1 0 0
2014年 0 0 2 2
2013年 2 2 3 0
2012年 2 1 1 0
2011年 2 2 0 0
2010年 1 1 1 0
平均数 1.7 1.3 1.3 0.3
平年値 1.7 0.8 0.7 0.2

※平年値は1981年~2010年の30年平均

近年と平年の差

2010年以降の平均と平年値を比較すると、9月の接近数が同数の他は2010年以降の平均数の方が多く、近年は9月の上陸数や10月の接近数が増えています。

9月の台風

9月は毎年のように台風が上陸していますので、特に注意が必要です。
今年も先日、台風15号が千葉市付近に上陸し、千葉県に甚大な被害をもたらしたました。

10月の台風

10月の上陸は2014年と2017年のみで、9月に比べ少なくなっています。
9月が接近した台風のうち76%が上陸していますが、10月は23%と小さくなっています。

秋に上陸した台風の特徴

東海地方に上陸する台風が多い

9月に上陸した台風が13個、10月が3個の16個の台風の上陸地点と再上陸地点をみると、今年の台風15号をのぞいて静岡県より西の地域となり、鹿児島県と愛知県がそれぞれ4個で最も多くなっています。
地方別では東海地方が8個で最も多く(32%)、次いで近畿と九州の5個(20%)となっています。
近年の秋の台風は東海以西に上陸する傾向があります。

9月と10月に台風が上陸した地方と回数(2010年以降)

上陸・再上陸地方 上陸・再上陸数 比率
関東 1 4.0%
東海 8 32.0%
北陸 1 4.0%
近畿 5 20.0%
中国 1 4.0%
四国 4 16.0%
九州 5 20.0%
合計 25

大型の台風の上陸が多い

上陸した時点で秒速15メートル以上の範囲が中心から500km以上の大型の台風が7個(44%)あり、2010年以降の夏(7月~8月)に上陸した台風の3個(21%)より多くなっています。
また、上陸した時点で秒速33メートル以上の暴風が吹く強い台風が9個(56%)で、2010年以降の夏に上陸した強い台風8個(47%)より多くなっています。

9月に上陸した台風(2010年以降)

9月の上陸個数 台風名 上陸日 上陸・再上陸地点 上陸時の中心気圧(hPa) 上陸時の大きさ 上陸時の強さ
2019年 1 15号 9月9日 千葉市 960 強い
2018年 2 21号 9月4日 徳島県南部
神戸市
950 非常に強い
24号 9月30日 和歌山県田辺市 960 大型 強い
2017年 1 18号 9月17日 鹿児島県垂水市
高知県西部
兵庫県明石市
975
2016年 2 12号 9月5日 長崎市 1000
16号 9月20日 鹿児島県大隅半島
和歌山県田辺市
愛知県常滑市
955 強い
2015年 1 18号 9月9日 愛知県西尾市 990
2013年 2 17号 9月4日 鹿児島県指宿市 985
18号 9月16日 愛知県豊橋市 975 大型
2012年 1 17号 9月30日 愛知県東部 975 強い
2011年 2 12号 9月3日 高知県東部
岡山県南部
984 大型
15号 9月21日 静岡県浜松市 950 大型 強い
2010年 1 9号 9月8日 福井県敦賀市 1004

10月に上陸した台風(2010年以降)

10月の上陸個数 台風名 上陸日 上陸・再上陸地点 上陸時の中心気圧(hPa) 上陸時の大きさ 上陸時の強さ
2017年 1 21号 10月23日 静岡県掛川市 950 超大型 強い
2014年 2 18号 10月6日 静岡県浜松市
静岡県沼津市
965 大型 強い
19号 10月13日 鹿児島県枕崎市
高知県宿毛市
大阪府泉佐野市
970 大型 強い

台風の発生から上陸までの期間

上陸した秋の台風の発生から上陸までの期間の平均日数は約6日です。ただし、2日~9日とばらつきが多くなっています。2日は熱帯低気圧が日本列島に接近した後に台風に変って上陸したケースで、2013年の台風17号と2015年の台風18号の2個があります。

夏と秋に上陸した台風の差

台風の上陸数

夏(7月~8月)に上陸した台風は17個で、秋(9月~10月)に上陸した台風は16個で、夏と秋の差はほとんど見られませんでした。

上陸した時点での中心気圧

上陸した時点の台風の中心気圧の平均は、夏が979hPa、秋が972hPaで秋の台風の方が気圧が低く、勢力が強い台風が多い傾向があります。

台風の発生から上陸までの期間

上陸した台風の発生から上陸までの日数の平均は、夏が6.5日で、秋が6.1日で差はあまり見られませんでした。ただし、日数のばらつきが夏の台風の方が大きく、10日以上が秋は0個に対して、夏は4個ありました。

一般的に夏の台風は日本付近を覆っている太平洋高気圧の影響で動きが遅く、向きが定まらないことが多く見られます。2010年以降も動きの遅い台風は複数見られますが、4日以下も9個あって秋の6個より多く、近年はこれまでとは傾向が変わっているように思われます。

夏の台風 2019年台風10号 上陸まで9日

秋の台風 2019年15号 上陸まで4日

台風による体調への影響

勢力の強い台風が接近すると気圧が大きく低下し、自律神経のバランスの乱れが生じ、頭痛やめまい、吐き気、関節痛等の症状が現れる人が多くなります。

先日の台風15号が上陸した9月8日から9日にかけて、関東地方のユーザーによる約2万件の痛み記録と1.1万件の薬の服用記録がありました。

秋台風で注意したい事

台風が発生したら進路予想を必ず確認する

天気予報のコーナーでは台風が発生すると台風の進路予想の説明がありますので、確認するようにしてください。近年は東海地方を中心に九州にかけての上陸が多くみられますので、東海~九州の方は特に注意してください。

西に進み日本に接近する可能性が低い台風もありますが、北上するケースが多くなっています。

発生から上陸までの日数

台風が発生して上陸するまでの日数は平均で6日程度ですが、4日で上陸する台風もありますので注意が必要です。

特に、台風が進路を東寄り変えると速度が急に早くなり、予想より早く接近することもありますので、進路が変わるタイミングを注視するようにしてください。

体調を整える

台風が接近した時に体調が悪くならないようにすることは難しいですが、悪化の程度を少しでも抑えられるように体調を整えるようにすることが大切です。

台風の発生が予想された際は自律神経のバランスを保つために下記のことを意識してください。
①睡眠を十分にとる
②規則正しい生活を心がける
③疲労を回復させるようにし、身体に負担をかけることはしない
④ストレス解消のためにゆっくり入浴する
⑤ストレス解消のために音楽を聞く

日頃から睡眠を十分にとった規則正しい生活を心がけて、ストレスを少しでも減らせるような行動をして、台風が接近しても体調の悪化を少しでも小さくしていただければと思っています。

(気象予報士・健康管理士 飯山)

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