気象病と腰痛の関係性
2022年に行われた国民生活基礎調査で自覚症状がある症状の第1位が男女とも腰痛で、第2位が男女とも肩こりとなっています。この腰痛や肩こりに天気が関係していることをご存じでしょうか？
気象病とは
気象病ということばを聞いたことがあるかと思います。気象病は気圧や湿度、気温などの気象の変化によって引き起こされるさまざまな症状の総称です。気象病の症状には、頭痛やめまい、気分の落ち込み、動悸、食欲不振、吐き気、じんましんなどがあり、ぜんそく、腰痛、肩こり、神経痛、関節炎、リウマチ、うつ、メニエール病、発達障害、自律神経失調症、線維筋痛症、古傷痛、術後痛などの持病の悪化が含まれます。
このように腰痛や肩こりは気象病に含まれ、気象変化によって悪化することがあります。
気象病の発症原因
気象病を発症する原因として、気象の変化によって自律神経の乱れが起こることや、気圧の急激な変化によって血管や気管支に変化が現れることで症状が悪化すると考えられています。
自律神経の乱れとは
「自律神経の乱れ」とはどのようなことでしょうか。自律神経とは自分の意志と関係なく働きをする神経で、交感神経と副交感神経があり、呼吸・循環・消化・排泄など生命維持に必要な機能をバランスよく調整します。
通常は昼間や活動時は交感神経が活発になり、夜や安静時は副交感神経が活発になります。交感神経と副交感神経が交互にバランスを取り、身体が維持できるようにしています。
「自律神経の乱れ」は交感神経と副交感神経のいずれかの負担が大きくなり、バランスが崩れることを指します。自律神経が乱れることにより様々な体の不調が現れます。
腰痛が悪化するメカニズム
大きな気圧変化が起こると耳の奥の内耳という器官で気圧変化を感知すると考えられています。気圧変化を感知すると交感神経が活発になり、血管の収縮が起こって血流が悪くなります。血流が悪くなることで筋肉が緊張したり、酸素の欠乏が招く組織の障害により痛みを発生させる物質（発痛物質）が出されることで腰痛が生じると考えられています。
気温の寒暖差にも注意
気温が大きく変化する時期は気温の寒暖差にも注意する必要があります。
気温が大きく下がって体が冷えると、筋肉を硬直させる疲労物質の乳酸などが作られ溜まってきます。この疲労物質によって筋肉が硬直し、腰や肩にある血管や末梢神経を圧迫し、圧迫された血管は血流が悪くなり、疲労物質がさらに溜まりやすくなります。
筋肉の硬直により圧迫された末梢神経では神経組織が圧迫されてダメージを受け、そこから痛みを感じるようになると考えられています。
このため、腰や肩はできるだけ冷やさないように注意することが大切です。
参考資料
今さら聞けない！“気象病”ってなに？頭痛以外にどんな症状があるの？ 頭痛ーる
https://zutool.jp/column/basic/post-21626
天気が悪い日に頭痛や腰痛が出るのはなぜ？雨の日の気象病の原因や解消法を解説 YO-TSU MEDIA
https://yotsu-doctor.zenplace.co.jp/media/cause_list/2956/
天気と腰痛の関係 ゆたかクリニック
https://yutaka-clinic.net/blog/youtuu/
昼間と朝・夕の気温差が肩こり・腰痛をひきおこく【肩こりと腰痛専門医からのアドバイス】 エーザイ お役立ちコラム
https://www.eisai.jp/articles/stiff_shoulders/sl_advice01#:~:text=%E6%B0%97%E6%B8%A9%E5%B7%AE%E3%81%AE%E5%A4%A7%E3%81%8D%E3%81%84%E6%97%A5,%E6%B0%97%E6%B8%A9%E3%81%8C%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82&text=%E3%81%93%E3%81%AE%E6%B0%97%E6%B8%A9%E5%B7%AE%E3%81%8C%E8%82%A9,%E8%B2%A0%E6%8B%85%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
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