気象病に関する気象用語
雪の下ってどうなってる?
積雪の多い雪国では、2月の後半が一年の中で最も雪が深くなる時期です。一面の雪に覆われた下の温度や湿度、環境はどうなっているでしょうか?
雪の下は一定の温度・湿度
降り積もった雪の下は、驚くほど一定の環境に保たれていています。雪の下は、外気がどんなに氷点下の厳しい冷えこみになっても、0度前後を持続しています。さらに雪は低温でもわずかに蒸発しているため、積雪の下は常に湿度がほぼ100%です。
雪の下は真っ暗な世界
雪は太陽の光を反射する性質があるため、20cmくらい降り積もった雪の下は真っ暗で、紫外線もほとんど届きません。真っ白な雪の下は、どんなに外が晴れて明るくても、真っ暗な世界が広がっているのです。
雪の下は「理想の冷蔵庫」
雪の下は、温度0度、湿度100%、そして光や紫外線も届かないことから、まさに「理想の冷蔵庫」といえる環境です。
この冷蔵環境を農業に活用し、北海道などでは雪中貯蔵野菜の生産が盛んです。「越冬キャベツ」の発祥地として知られる北海道の和寒町では、一番寒い時期にはマイナス25度を下回ることも珍しくありませんが、雪の断熱効果で温度0℃・湿度100%をキープできるため、春先にかけて、新鮮な状態を保つことができます。その他、北海道では函館の「雪の下だいこん」、真狩村の「雪下にんじん」など、様々な雪中貯蔵野菜が生産されています。雪はたくさん降ると雪かきで大変ですが、このような恵みもあるため、ありがたい存在でもあります。