12月の気象病~インフルエンザ予防と水分補給~
12月に現れやすい気象病と体調管理
インフルエンザ予防
インフルエンザは例年は11月頃から流行り始め、主に12月から2月にかけて流行します。主な症状は発熱、倦怠感、関節痛、筋肉痛、頭痛などがあります。
1961年にHarper,G.Jらにより行われたインフルエンザウイルスの生存率・湿度と気温との関係についての研究によると温度21℃~24℃で湿度が20%では6時間後のインフルエンザウイルスの生存率が60%となりましたが、同じ温度21℃~24℃で湿度を50%にするとインフルエンザウイルスの生存率は3~5%となり、ほとんど生存できなくなりました。
湿度を80%にしても生存率は湿度50%と変わらないため、室内の結露やカビの発生を考慮し、室内の湿度を50%、温度を20℃~23℃することで、インフルエンザウイルスの生存を抑えることが良さそうです。
暖房だけでは空気が乾燥してしまいますので、加湿器などで湿度をコントロールしてください。室内に温度と湿度を表示する温湿度計を置くのが良いでしょう。
冬型の気圧配置になると空気が特に乾燥しますので注意して下さい。
毎日の基本的な予防としては、マスクの着用と外出先から戻った際の手洗い、うがいが重要です。
ウイルス対策としての水分補給
人間の体のおよそ60%は水分ですが、体の中の水分にはさまざまな役割があります。飲料水などで口から体の中に入った水分は毛細血管に吸収されて血液などの体液となって酸素や栄養分を全身に運び、老廃物を体外へ出す役割や皮膚への血液の循環を増やすことで汗を出して熱を逃がし体温を一定に保つ役割があります。
夏は汗を書いたり喉の渇きにより水分が不足していることを自覚して水分を補給しますが、空気の乾燥によって汗以外の呼気や皮膚から水分が蒸発が増えてしまう冬は、気付かないうちに水分が失われてしまいます。特に外気に接している皮膚や喉、鼻などの粘膜は乾燥しやすく水分が失われやすくなります。
このため、こまめに水分補給をすることを意識して水分不足にならないようにする必要があります。喉や鼻の粘膜が水分補給により潤いが保たれていればウイルスの侵入を防ぐことができますので、夏と同様に冬の体調管理として水分補給をするようにしましょう。
寒暖差による疲労に注意
暖かい部屋から冷え込んだ外に出ると体は急激な気温の低下を受けます。寒さを感じると体の熱が逃げないように、自律神経の交感神経が盛んに活動を始め、常に寒暖差の激しい環境に身を置いていると、交感神経がこの環境に適応しようと反応するため、自律神経が疲弊し、自律神経の乱れ、頭痛などの体調不良を起こしやすくなります。12月も寒暖差の大きい日が現れますので、寒暖差疲労を溜めない対策を行ってください。
寒暖差疲労に効果的な5つの予防対策は、こちらでご紹介しています。
【参考文献】
成人病予報対策研究会 ほすぴ 気象と健康~冬の健康~
成人病予報対策研究会 コラム 冬の風邪予防