夏台風と秋台風の違いとは?特徴やなぜ違いが生じるのかを解説
日本は台風が多いと言われています。台風は年間約25個程度発生し、そのうち日本へ接近・上陸するものは7月~10月が多くなっています。
夏から秋にかけて日本へ影響をおよぼすことの多い台風ですが、夏台風と秋台風にはそれぞれ特徴がありますので、特徴や違いなどを見ていきたいと思います。
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夏台風と秋台風の違い
台風自身はわずかに北西に進むだけで、台風よりも大きい高気圧や偏西風の影響を受けて進みます。夏と秋では高気圧や偏西風の位置が変わってくるため、夏台風と秋台風に違いや特徴が出てきます。
まず、夏台風と秋台風の大きな違いは台風のスピードがあげられます。夏は太平洋高気圧に覆われているため、動きが遅く複雑な動きになることもあります。秋は太平洋高気圧の勢力が弱まっていき、本州付近まで偏西風が南下してくるため、スピードを上げ本州を足早に通過していくことが多くなっています。
2001年~2021年に発生した台風のうち、台風の発生から上陸までの時間は夏と秋では秋の方が少し短くなっていましたが大きな違いはありませんでした。ただ、上陸から台風が消滅するまでの時間は、夏は約98.1時間で秋は約78.2時間となっていました。夏に比べて秋は本州付近へ上陸してからは、スピードを上げ通過し、その後消滅までの時間が短いことが分かります。
また、夏と秋でそれぞれ上陸時の中心気圧を比べると、夏は平均971.4hPa、秋は962.1hPaで夏台風に比べ秋台風の方が上陸時の勢力が強い傾向が見られました。(中心気圧が低いほど勢力が強い)
海水温が高いと台風の勢力が強まったり、台風の勢力が衰えない傾向がありますが、秋は日本付近の海水温がまだ高く、本州付近でスピードを上げるため勢力をそれほど落とさずに上陸していることが関係していると思われます。
夏台風の特徴
夏台風は以下のような特徴があげられます。
- 台風の動きが遅い
- 台風が複雑な動きをする場合がある
- 南西諸島~西日本へ影響をおよぼすことが多い
高気圧が本州付近に張り出していることや上空の偏西風が日本付近より北にあることが多いため、台風の動きが遅く台風に伴う雨風の影響が長時間におよぶことがあります。
また通常、台風は発生すると西~北西にゆっくり進み、その後西に進み続けるか、やや北よりに進路を変え、日本付近で北東に進路を変えていきますが、夏台風は進路が定まらず複雑な動きをすることがあります。(迷走台風)
秋台風の特徴
秋台風は以下のような特徴があげられます。
- 台風が日本付近で速度を早める
- 秋雨前線と影響しあい雨量がかなり多くなることも
- 夏台風に比べて風が強くなる傾向
- 近畿地方~東日本へ影響をおよぼすことが多い
秋になると太平洋高気圧の勢力が弱まっていき、台風が日本付近へ近づきやすくやすくなります。台風は発生すると西~北西にゆっくり進み、やや北よりに進み、日本付近まで南下している偏西風の影響で北東に進路を変えて速度を一気に早めます。
動きが遅い台風に比べて直接的な影響をおよぼす期間は短くなりますが、台風が勢力を落とす前に通過していくため、暴風や大雨になる恐れがあります。直接的な影響をおよぼす時間は短くなると先ほどいいましたが、本州付近に秋雨前線がかかり、台風の接近前から大雨となり、長時間にわたり影響が出る場合もあります。
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