ペットと気象病 Vol.10:猫に漢方薬は効果があるのでしょうか?メリットやデメリットは?
猫は漢方薬を飲んでも大丈夫なのでしょうか?
実は動物も漢方薬を飲んでもらうことがあり、様々な病気の症状緩和に役立つと言われています。しかし、すべての動物病院で処方が可能という訳ではありません。
漢方薬が利用できる病気やメリットとデメリットについて紹介します。
東洋医学の診断
西洋医学では様々な検査を行い、その結果に基づいて病気そのものや症状に直接アプローチしますので、病気そのものに着目するということが特徴になります。
一方東洋医学では、体質や状態に合わせて、体の不調を内側から整えるという方法を用います。そのため、東洋医学では各臓器のみに注目するのではなく体を全体的に観察して治療にあたります。
漢方薬で治療する前に
漢方薬を処方するためには、まず体の状態を知ることが大切です。
漢方薬で治療を行う場合、「四診(ししん)」という独特の診断方法を用います。
・望診(ぼうしん):視覚を用いた診察
・聞診(ぶんしん):聴覚と嗅覚を用いた診察
・問診:病歴や主訴をよく聞く
・切診(せっしん):実際に触れて診察する
以上を合わせて、四診(ししん)と言います。
このように東洋医学では、五感をフル活用した診断方法をとります。
猫に漢方薬は効果があるのでしょうか?
以上のような診察を行い、もともとの体質や生活環境なども考慮して、体全体のバランスを判断し漢方薬を処方していきます。
漢方薬を用いた治療には、体のバランスを整えて自然治癒力を引き出していく効果が期待されています。
そのため、西洋医学では病名を診断しにくい「何となく元気がない」などの曖昧な調子の悪さにも、対応していけるのではないかと考えます。
また、西洋医学と組み合わせることで相乗効果も期待できます。
猫に漢方が使われるおもな病気
漢方薬は様々な病気で処方されます。
・腎臓疾患
・肝臓疾患
・消化器疾患
・心疾患
・腫瘍
・アレルギー
・ストレス
など。
漢方薬は副作用が少ないと言われることもありますが、やはり合う、合わないはあります。
そのため、東洋医学に詳しい獣医師に診察処方してもらうことをお勧めします。
漢方薬のメリット・デメリット
漢方薬のメリット・デメリットについて紹介します。
メリット
・副作用が比較的少ない
・体質改善が期待できる
・原因が特定できない不調の改善に効果が期待できる
・西洋薬との併用が可能な場合がある
デメリット
・効果が出るまでに時間が必要
・味に癖があり、飲みにくい
・効き目に個人差がある
・急を要する病気には不向き
まとめ
猫に漢方薬は効果があるのか?という内容をテーマに、東洋医学の診察や西洋医学との違い、漢方薬の効果が期待できる病気、漢方薬のメリットとデメリットについて紹介しました。
東洋医学では心と体は1つのものと捉えますので、心身の働きのバランスが崩れた時に病気が起こると考えます。猫ちゃんの様子を見ていただき、ささやかな変化を見逃さないようにしてあげましょう。