ペットと気象病 Vol.9:犬のてんかんの症状・原因・治療方法〜発作が起きたら?


愛犬が急にけいれんをおこし倒れてしまったら、どうしたよいのかわからず焦りますよね。
愛犬がけいれんを起こした原因は「てんかん」かもしれません。

てんかんの症状や原因、治療方法、対処法について紹介します。

1.犬のてんかんとは

てんかんは脳で情報伝達のために起こる電気信号の流れが乱れてしまい、自分の意志とは無関係に勝手に体が動いてしまう病気です。身体がけいれんする病気はてんかん以外にも複数ありますので、鑑別することが大切になります。犬のてんかんは100頭に1頭の割合で起こると言われています。

てんかんの原因は大きく2つに分けることができます。一つは、検査をしても原因が不明とされる「特発性てんかん」、もう一つは、脳に腫瘍や炎症、外傷があることが原因で起こる「症候性てんかん」です。

てんかんの症状には2種類あり、体の一部分のみに症状が起こる「焦点発作」と全身にけいれんが起こる「全般発作」があります。

2.犬のてんかんの症状

犬がてんかんを起こす前に次のような様子になることがあります。
・ぼーっとして呼びかけに反応しない
・ソワソワしている
・いつも以上に食べる、全く食べない
・何もないのに噛むようなしぐさをする(フライバイト)
など

実際にてんかんを起こしたときには、次のような症状が起こります。
・体の一部または全部が震える
・よだれが出る
・失禁する
・身体をのけぞらせる
・意識を失い倒れる
など

このようなけいれん発作は一時的で数秒から1~2分で治まることがほとんどですが、稀に5分以上続き治まらなくなる重責という状態に陥ることがあります。てんかん発作が長く続くと何らかの後遺症が残ったり、意識が戻らなくなることがあります。

3.けいれんを起こした時の対処法

けいれん発作を起こしている最中は周囲の危険なものを除け、頭を床などに打ち付けないように座布団や厚みを持たせたフリースなどを頭の下に敷いてあげてください。
体をゆすったり、大声を出すと刺激になりさらにけいれんが起こることもありますので、できるだけそっと見守ってください。
舌をかまないようにと口の中にタオルなどを入れなくても大丈夫です。むしろ、犬が意識を失っている状態で手をかまれてしまうと離してくれなくなり危険です。

可能であれば、けいれんを起こした時に動画を撮影しておくと、動物病院を受診した際に説明しやすくなります。

4.治療方法

犬がけいれんを起こす原因は複数ありますので、原因を見つけることが大切です。
てんかんと診断された場合は、抗けいれん薬の投与を行います。

抗てんかん薬の種類によっては内臓に影響が起こる場合がありますので、投与を始めたら、定期的に血液検査を行い健康状態を確認しましょう。

まとめ

犬のてんかんについて紹介しました。てんかんは急に起こることが多く、慌ててしまいます。いつ発作が起こるのかは予測がつきにくいですが、環境が変わったときやストレスがかかったときに起こりやすい傾向があります。
また、天候に左右されることもあり、特に台風や雪が降るなど気圧が大きく変化する時には影響を受ける可能性が高くなります。

いつ、どのようなてんかん発作が起こったか記録する習慣をつけると、体調変化が分かりやすくなるかもしれませんね。

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この記事の監修者
平松 育子/獣医師・アロマテラピーインストラクター
平松 育子/獣医師・アロマテラピーインストラクター
大手動物病院 院長
アイビー・ペットライティング代表

獣医師歴27年の経験を活かし、各方面で活躍。
得意分野は皮膚疾患で、皮膚科・内科を中心とした一般診療に従事。予防にも力を入れている。

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