冬に注意したい体調不良ー冬バテー

冬バテ

冬バテとは

「冬バテ」ということばをご存じでしょうか。「バテる」は「疲れ果てる」の「果てる」が語源で、すっかり疲れてしまうという意味で、「夏バテ」をイメージする方が多いのではないかと思います。
この「夏バテ」が使われるようになったのは、昭和30年代のクーラーが普及していなかった頃からのようで、夏の暑さで体調を崩してしまうことを表現しています。聞きなれない「冬バテ」についてお知らせいたします。

夏バテが起きる要因

「夏バテ」については多くの方がご存じではないかと思いますが、夏バテの要因についてお知らせします。
体が暑さを感じると汗をかいて、体内の熱を外に出すことにより体温を一定に保つようになっていますが、この体温調節を行っているのが自律神経です。

猛暑日のように気温が35℃になっているところからエアコンが効いた20℃代の室内に入ると、その気温差は10℃もあります。暑い外に出たり涼しい室内に入ったりを何度も繰り返すと、温度差の大きい状態に自律神経が何度も対応することになり、その働きがおかしくなってしまいます。この自律神経の不調によって、身体のだるさや食欲の低下などの夏バテの症状が生じます。

冬バテが起きる原因

冬バテが起きる原因として気温の寒暖差と日照時間の減少が考えられています。

気温の寒暖差

冬は夏のように暑さを感じることはありませんが、朝と日中の気温差が夏に比べて大きく、暖房によって暖かい部屋と暖房がない部屋との気温差や室内と室外の気温差が大きくなる寒暖差が発生しやすくなります。

このため、外出時だけでなく家の中の移動による寒暖差で自律神経が何度も対応することで、自律神経に乱れが起こります。

日照時間の減少

冬は日中の時間が短くなりますが、この冬の日照時間の減少が、神経伝達物質をコントロールし、精神を安定させている働きのある「セロトニン」の分泌量を減少させていると考えられています。
セロトニンの減少すると睡眠トラブルやイライラしやすくなるような症状がみられるようです。

冬バテの主な症状

冬バテには多くの症状が現れますが、代表的な症状は下記があります。

・食欲不振
・適度な睡眠時間をとっても疲れが取れない
・眠りが浅く、夜中に起きてしまう
・倦怠感があり、怒りっぽくなってしまう
・頭痛、肩こり

冬バテの予防法

冬バテにならないための予防法をいくつかご紹介いたします。

体を冷やさない

冬バテは自律神経の不調をもたらす気温の寒暖差が原因ですので、できる限り体を冷やさないようにすることが重要です。体が冷えることで血行が悪くなりやすく、血行不良によって肩こり・腰痛・関節痛などの症状の発生につながりますので、体を温めることが大切です。

外出時はマフラーや手袋などの防寒具で対策することはもちろんですが、室内でも寒い部屋に移動する際にも体が冷えないように羽織るようにしましょう。また、脱衣所も体が冷えないように暖房を入れて暖かくしておくなど工夫しましょう。

適度な運動やストレッチ

寒い季節は外に出る機会が減少し、外での運動量が夏に比べて減る人が多くなります。
しかし、あまり体を動かさないと血行が悪くなりやすくなりますので、軽く汗ばむ程度に体を動かすことは大切です。また、室内でストレッチやラジオ体操などを行うことで、体をリラックスさせる効果もあるようですので、意識的に体を動かすようにしましょう。

バランスの良い食事

栄養バランスを心がけた規則正しい食生活は体調を維持するために大切です。冬は忘年会や新年会など食生活が乱れやすいイベントが多い季節で、アルコールを摂取する機会も多く、体に負担がかかりやすい食生活になりやすい時期です。暴飲暴食をした翌日以降は軽めにするなど調整しましょう。

体が冷えやすい冬は根菜類やショウガ、ニンニクなど、体を温める作用のある食材を多く摂り、夏が旬の食材(ナス・トマト・きゅうりなど)やモヤシ、シメジ、シイタケなどは体を冷やす作用がありますので食べ過ぎないように注意しましょう。

規則正しい生活リズム

自律神経の働きを整えるには規則正しい生活を送ることが重要です。
アルコールの摂取する機会が増えて生活リズムが乱れやすい時期ですが、同じ時刻に早起きをして太陽の光を浴びることは自律神経を整えることに効果的です。

朝日を見ることでセロトニンが活性化され、精神の安定につながり、良い睡眠にも効果があります。

最後に

冬バテは気付かないうちに起こりやすい症状です。冬バテの原因を理解し、予防法を行うことで冬バテにならないように心がけましょう。
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参考資料
総合東京病院 医療コラム 冬バテってなんだ?
ヒロクリニック心療内科 ブログ 心と身体の不調を引き起こす冬バテの原因、症状、治療法の詳細解説
アリナミン製薬 健康サイト 冬に生じる不調「冬バテ」とはー症状や対策・解消法を解説
恵佑会第2病院 消化LIFE 冬の体調不良「冬バテ」の原因と対策について

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この記事の監修者
飯山 隆茂
飯山 隆茂
気象予報士/健康管理士

気象予報士として25年以上にわたり気象情報の提供に従事。頭痛ーる開始後からサービス追加に関わり、健康管理士取得後は気象と健康の両面から健康管理の普及に努める。

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