天気痛の症状

天気痛の症状

偏頭痛(片頭痛)

天気痛の中では患者がとても多く、代表的といってもいい病気です。脈を打つようなズキン、ズキンという「脈動性」の強い痛みが特徴です。片頭痛といっても、頭の片側だけでなく、両側に起こることもあります。気圧の変化を感じると脳の血管が拡張し、脳の一番外側にある硬膜に分布している三叉神経が興奮し、痛み物質が放出されます。放出された痛み物質に反応して、さらに血管が拡張します。このようにして血管拡張の悪循環が起こり、脈打つような強い痛みが生じると考えられています。
痛みを引き起こすきっかけは、気圧の変化と気温の変化が多いと考えられています。

首痛

偏頭痛や肩こりと同じように、一度自覚症状を覚えるとなかなかスッキリしないのが首痛です。またムチウチ症などになり、予後があまり良くない、何となく痛みが癖になっている人も多いのが特徴です。脳の近くに位置する首は、大事な交感神経が走っている上に、気圧を感知している内耳とも繋がっています。
このため気圧の変化があると、内耳や交感神経が変化を感知して、首に痛みを覚えやすくなります。
首は約5キロある頭をささえています。重たい頭を細い首で支えているので、大事になってくるのが、首の下にある肩と背中の筋肉強度です。
首痛でお悩みの方は肩と背中の筋肉をつけるといいでしょう。

めまい・メニエール病

私たちの体は、目や内耳の平衡センサー、体幹部と両足がそれぞれがバランスを取り、調整することで倒れないように活動しています。しかしその「倒れないようにバランスを保つ」機能に何らかの障害が生じて起こってくる違和感がめまいです。
めまいにも種類があって、内耳による原発性のめまいと、視覚、首(頸椎)・腰の動きの異常、脳の異常からくるめまいです。めまいの中でも特に激しい症状を訴える病気に、メニエール病があります。
メニエール病は内耳にあるリンパ液が異常に増えることで引き起こされる病気で、原発性のめまいに分類されます。ぐるぐると回るような回転性のめまいや耳鳴り、さらに吐き気、進行すると難病へと繋がってしまうケースもある、大変苦しいものです。
内耳のリンパ液の過剰反応によって引き起こされるめまいは、天気や気圧の変化と密接な関わりを持つことになります。

気管支喘息

突然の呼吸困難、咳が出て止まらなくなってしまう気管支喘息は、小児に多いハウスダストや花粉、生き物の毛など、何らかの外部的な要素が原因で引き起こされるアレルギー性のタイプと、成人によく見られるアレルゲン(アレルギー反応を引き起こす物質)を特定できないタイプがあります。後者の場合、風邪や過労、ストレスなども喘息を発症させる誘因と考えられています。
喘息は一度アレルギー反応が始まると、ヒューヒューと音を立てるような呼吸になって、激しい咳が続き、一度発作が治まったのちにも時期をおいて繰り返してしまうのが特徴です。
気管支喘息も天気と関わりがありますが、特に注意したいのが秋口などの季節の変わり目です。暑い夏が終わり、気温と気圧が下がってくる秋の初めころは、十分な用心が必要です。
それまでの湿気を含んだ生暖かい空気から冷たく乾燥した空気を吸い込んだ時に、喘息の発作が起こる傾向があるからです。
気管支喘息と気圧の関係もおそらく自律神経の乱れが影響していると考えられています。季節の変わり目は自律神経が大きく反応し、不安定となるからです。

リウマチ、関節リウマチ

手や足の指などの関節に痛みや腫れ、こわばりが生じるのが関節リウマチです。関節リウマチはその名の通りに、関節にかかわりのある組織に炎症が生じます。多くは一進一退を繰り返しながら、徐々に炎症の範囲を広げ、進行していく病気です。痛みと同時に関節の変形や、放置しておくと関節自体が固まって動かなくなってしまうこともあります。
関節リウマチも天気と大きく関係していて、天気が悪い日は、関節の痛みや腫れといった症状を訴える数値が高くなっていくことがわかっています。症状の悪化は3日前の気圧と特に連動していますので、3日前に晴れていても、気圧が下がっている場合は要注意です。

耳の症状

耳の症状には、「天気が崩れる前に耳の奥がツーンとする。」「耳鳴りがする。」「聞こえが悪くなったように感じる。」といったものが挙げられます。天気痛の耳の症状は平衡感覚や自律神経系の反応がセットで出やすいので、耳の症状と同時に吐き気や眠気といった自覚症状にも繋がる場合があります。
急性の耳の症状と気圧の関係として最もわかりやすい例が、飛行機の中で起こる航空性の中耳炎です。気圧の急な変化によって起こる航空性の中耳炎に関しては、気圧が乱れる前後にこまめに唾を飲み込んで耳の中の圧力を自然調節する「耳抜き」や耳栓を装着するなどすると、ある程度の予防をすることができます。

事故の古傷や神経痛

天気痛の中でも、事故の古傷、かつてケガや病気をした場所が「ウズウズする」「痛みが騒ぎ出して天気が下り坂になるのがわかる」という人は多いです。神経痛とは、特定の末梢神経に痛みが繰り返しおこる状態をさします。ズキズキっと鋭い刺激が走るのが特徴です。神経痛が表る場所は、後頭部、顔、口の中、肋骨の間、おしり、足など全身にいくつかあります。座骨神経痛などは、腰痛とセットになって悩む方も多いようです。また病気がきっかけとなって引き起こされる神経痛の代表的なもののひとつに、帯状疱疹後神経痛があります。
神経痛も天気や気圧の変化に影響を受けます。古傷や神経痛のような慢性痛は脳が関係しており、脳が一度覚えた痛みを何かのきっかけで再現することで、痛みが再発すると考えられています。

更年期障害

更年期障害とは、人間の生殖機能が成熟から完全な終わりを迎えていく時期に向かってホルモンの分泌の急降下が起こり、それに伴った体や心の不調を示し始めることです。長い間、女性特有のものと思われてきましたが、最近は男性にも更年期の症状があることが社会的にも理解されるようになってきました。
女性の更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで起こります。卵巣で作られていた女性ホルモンの量が減ると、脳の視床下部は混乱を起こし、自律神経系に影響を及ぼして失調が起こっていきます。女性の更年期障害の代表的な身体症状が、ホットフラッシュと呼ばれる顔のほてりやのぼせ、急激な発汗です。精神的なストレスが脳に影響を与えて、自律神経失調と共に抑うつ感を感じる方も多いです。
男性の場合は、男性ホルモンの分泌が低下することで起こります。性的な機能障害や抑うつ状態に陥りやすくなると言われています。睡眠・食事・入浴をおろそかにせず、自律神経を整えることが大切です。

うつ・不安症(神経症)

憂鬱な気分に支配されて、家庭や仕事への集中力が落ちる、そわそわと落ち着かない気持ちになってしまう。身体的な症状としては、不眠、食欲の低下、頭痛などを訴えるケースも多くあります。うつの場合は抗うつ剤をベースに抗不安薬や睡眠薬を使った薬物治療を、不安症の場合も、抗不安薬の投与が治療には欠かせないものになります。
気圧の変動を受けて自律神経が乱れる時の症状に、うつや不安感も挙げられます。
「春から梅雨の時期はどうも気持ちが落ち込んで立て直せない。」という方もいらっしゃいますが、特に異常なことではなく、体としてはとても自然な反応ではないでしょうか。天気の変化に、気分を影響を受けているのです。

認知症の周辺症状の悪化

認知症は様々な原因から脳の細胞がダメージを受けてしまったり、働きが衰えてしまうことで日常生活を送るのに困難が生じる病気です。
認知症にはコアな症状が3つあります。ひとつは自分が誰なのかわからなくなることに代表される「認知」の問題。もうひとつは、自分や周りに起こった出来事などを覚えておいたり、思い出したりすることが困難になる「記憶」の問題。そして今、自分がどこにいるのか、何をしているのかという判断が曖昧になってくる「見当識」の問題です。さらにこのほかに周辺症状も表れます。
「徘徊」「暴言」「暴力」といった行為も認知症の周辺症状に挙げられます。感情的になりやすくなるからという理由もありますが、感情を人へ上手く伝えられなくなってしまう苛立ちもあるようです。
「弄便」の症状も、認知症の方に顕著なものです。判断力の低下や不快な状態を訴えることが出来ないためです。このような周辺症状に加えて、うつも起こっていきます。認知症の方の周辺症状については、気圧の変化に注意するなどして、出来る限り天気の変化に惑わされない環境を整えてあげることが大切です。


【参考文献】
■天気痛を治せば頭痛、めまい、ストレスがなくなる!/佐藤純(著)
■天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法/佐藤純(著)
■「低気圧頭痛」は治せる!/佐藤純(著)

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